研究課題/領域番号 |
21401031
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
小嶋 芳孝 金沢学院大学, 美術文化学部, 教授 (10410367)
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研究分担者 |
清水 宣義 金沢学院大学, 美術文化学部, 教授 (30206205)
佐々木 圭一 金沢学院大学, 美術文化学部, 准教授 (50340021)
中村 晋也 金沢学院大学, 美術文化学部, 准教授 (10301003)
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キーワード | 考古学 / ロシア沿海地方 / 渤海 |
研究概要 |
調査経過 ロシア科学アカデミー極東支部(ウラジオストク市に所在。以下、研究所と記す)に出かけ、調査計画の打合せをするとともに5月8日付けで研究協定を締結。9月10日~24日にかけて、小嶋・佐々木ほか3名の計5名とロシア側3名でラズドリナヤ河流域の遺跡を中心として踏査。各遺跡の地形立地や土塁の状況などを観察した。10月29日~11月5日には、研究所のゲルマン氏を招へいし研究交流をおこなう。2月7日~14日には、小嶋ほか3名がラズドリナヤ河流域出土資料を中心に実測・写真撮影し研究交流をした。3月21日~25日には、小嶋がウラジオストクで開催されたシンポジウム「極東の古代・中世における民族・文化の交流」で調査成果を報告した。また、研究所のニキーチン氏が中心となってラズドリナヤ河流域の渤海を主とする遺跡データベースを構築した。 調査成果 今回の遺跡踏査で、ラズドリナヤ河をはさんで渤海遺跡の様相が異なることに気づいた。ラズドリナヤ河右岸には渤海の仏教寺院遺跡が4ヵ所あるが、左岸以北にはこれまでのところ未発見である。山城の石垣の構築技法も、河を挟んで異なっている。この差異の背景について、次年度以降の遺跡踏査を続ける中で検討を進めたい。また、ラズドリナヤ河流域の靺鞨から渤海・女真の土器を実測・撮影し、この地域の土器様相について把握することができた。次年度はウスリー河流域の土器を調査する予定で、地域ごとの土器様相の差異を明らかにしたい。今年度に調査したラズドリナヤ河流域は渤海の率賓府に含まれる地域と推定しており、今回の調査によりその考古学的な様相を把握できた。次年度以降の調査で、渤海の領域北辺部について実体を明らかにできると期待している。
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