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2010 年度 実績報告書

エジプト初期国家形成期における穀物調理の専業化と集落の都市化

研究課題

研究課題/領域番号 21401033
研究機関近畿大学

研究代表者

高宮 いづみ  近畿大学, 文芸学部, 准教授 (70221512)

キーワードエジプト先王朝時代 / ナカダ文化 / ヒエラコンポリス / 穀物調理 / 専業化 / 都市化
研究概要

本年度は、エジプト南部ヒエラコンポリス遺跡において、昨年度の発掘調査で一部を検出した加熱調理施設ならびに近接する円形日乾レンガ遺構(穀物倉?)を完掘し、それぞれの構造と機能を明らかにすると共に、両者の時期的・機能的関係を解明することを目的とした。最終的にエジプト初期国家形成期における穀物調理のプロセスとその都市化への影響を明らかにすることが、本研究の目的である。
本年度に、加熱調理施設を完掘し、その構造を明らかにすることができた。同施設は、南北約7m、東西約8mの規模を持つ半地下式で、元来内部に計16基の大型甕が据えられていたと推測された。甕自体は残存していなかったが、類似遺構との比較から、穀物調理が行われた可能性が高い。穀物調理施設としては、従来検出された中で当時最大級の一例であり、家内生産規模を大きく超えた大規模調理の存在を物語る。
円形日乾レンガ遺構は、本年度内部と外側一部の発掘を完了した。内部はすでに先王朝時代以降に発掘されていたが、外部に堆積していた藁と籾殻から、何らか麦と関連する施設と推測された。時期は先王朝時代であることがほぼ確認され、知られる限りエジプト最古の日乾レンガ造穀物倉となる。
両遺構の間の地区を発掘した結果、両者の間には多量の麦藁と籾殻が堆積している状況が観察された。また、建造時期は円形遺構の方が現存調理施設より早いが、両者が同時に機能していた可能性も残された。したがって発掘調査地区では麦を用いた作業が集中的に行われたことが確認されたが、脱穀や製粉等の関連作業場は未検出で、穀物調理の全体的プロセスを明らかにするためには、来年度以降、さらに発掘調査区を拡張して精査することが必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エジプト先王朝時代の「加熱調理施設」-ヒエラコンボリス遺跡の発掘調査から-2010

    • 著者名/発表者名
      高宮いづみ
    • 学会等名
      西アジア考古学会 第15回総会・大会
    • 発表場所
      国士舘大学世田谷キャンパス
    • 年月日
      2010-06-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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