研究課題/領域番号 |
21401042
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
佐島 隆 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40192596)
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研究分担者 |
中山 紀子 中部大学, 国際関係学部, 教授 (00288698)
南 直人 京都橘大学, 文学部, 教授 (20181951)
齋藤 久美子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, ジュニア・フェロー (90432046)
石川 真作 京都文教大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20298748)
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キーワード | エスニック・コンフリクト / エスニシティ / アレヴィーAlevi:ベクタシBektas / 文化人類学・民俗学・宗教学 / トルコ移民 / 宗教教育 / トルコ:ドイツ:イギリス:オランダ:ベルギー:デンマーク:クルド:ザザ / ジェンダー |
研究概要 |
2011(平成23)年度の成果は次の通り。本年は三年計画の中では補充調査と位置づけられている。 [トルコの調査]イスタンブルにおける主だったアレヴィー関連諸組織の調査は、大雑把ではあるが一通りの調査ができ、アレヴィー諸集団の動向を把握することが出来た。アンカラでは宗務庁、政府関連諸機関、大学や研究所などの把握を実施し研究動向を含めて把握した。その動向の一つに政府主導の「アレヴィー協議会」がある。関連資料を収集し関係者の聞き取りを行った。宗務庁や政府と関連が深いとされるイスラーム系集団との関係なども調査できた。アラブ・アレヴィー(ヌサイリー派)、クルド・アレヴィー、ザザ・アレヴィーなどの調査に着手した。それにより各集団の特徴を明らかにする手がかりを得ることが出来、トルコ人ばかりでなく、クルド人やザザ人にもトルコ・アレヴィー(アナトリア・アレヴィー)の影響が浮き彫りになって来た。アレヴィー関連諸集団の多様性、アイデンティティの複合性、そしてそれらの変化などを調査、把握できた。宗務庁や政府と関連が深いとされるイスラーム集団などとの関連、また定点観測をしているハジ・ベクタシ・ヴェリ記念祭においては政治との関連をも観察できた。 [ドイツ、オランダ、イギリスなどヨーロッパの調査]各国におけるアレヴィー諸集団の特徴を把握すると共に、各国の「環境」「状況」の中でどのように活動し、アレヴィー(文化/宗教/イデオロギー)を創出、維持しているのか調査した。また西欧とトルコの間を繋ぐ「関係」を調査・把握した。西欧の研究動向についても翻訳等実施し(『資料集』を作成するなどし)理解、把握に寄与した。 [ジェンダー]ジェンダーに関する調査はさらに調査する余地があることが分かってきた。 [エスニシティ]エスニシティについては、その揺れ動きについても調査から認められ、またアレヴィー・アイデンティティが新たに創出されている部分も見て取ることが出来た。これについては、さらに調査研究を積み重ねる必要がある。それはエスニシティ研究を深めるデータを提供できると考えられるので、新たに科研を組織して調査研究する必要がある。 <このテーマの三年間の報告は、別に研究成果報告書として、提出する予定である。>
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