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2013 年度 実績報告書

北アメリカ地域における先住民生存捕鯨と先住権

研究課題

研究課題/領域番号 21401045
応募区分海外学術
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

岸上 伸啓  国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (60214772)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2014-03-31
キーワード先住民生存捕鯨 / 先住権 / イヌピアット / イヌイット / グリーンランド / アラスカ / 北アメリカ北西海岸 / カナダ
研究概要

本年度は、北アメリカ北西海岸先住民、カナダ・イヌイット、グリーンランド・イヌイットの捕鯨について、アラスカ先住民イヌピアットの捕鯨と比較しながら、その実態と先住権に焦点をあてながら、現地調査を行った。
北アメリカ北西海岸先住民のヌーチャヌルスとマカーの捕鯨の現状と先住権との関係について調査した。前者は歴史的に捕鯨を行ってきたことが知られているが、ランドクレームで捕鯨を先住権として主張しておらず、捕鯨再開はきわめて困難な状況にある。後者はかつて米国を相手に締結した条約によって捕鯨の権利は守られているが、国内法との抵触や環境NGOによる訴訟によって捕鯨ができない状況にある。
捕獲枠の拡大を求めたグリーンランドのイヌイットの捕鯨は、2012年7月に開催された第64回国際捕鯨委員会総会において否決された。同自治政府は、捕鯨をイヌイットの権利として考え、クジラ資源を自らの手で管理し、捕鯨を継続する道を選んだ。国際捕鯨委員会から脱会しているカナダは、イヌイットの捕鯨を先住民の権利として認め、ヌナヴート準州で3頭とヌナヴィクで1頭の年間捕獲枠を付与している。
先住民生存捕鯨は、国家によって承認されていても実施できない状況が出現しつつある。この背景には、世界各地で繰り広げられているクジラをめぐる動物愛護運動や環境保護運動が、クジラを「神聖なる海獣」とみなし、それぞれの運動を強力に推進し、世論に大きな影響を及ぼしていることがあると考えられる。このため、1970年年代以降、世界各地において人類とクジラの関係は大きく変わりつつあり、国家や国際社会によって承認されている先住民生存捕鯨の存続にも悪影響を及ぼしつつあることが判明した。これまでの成果を基に国際シンポジウム「北太平洋沿岸諸先住民族文化の比較研究-先住権と海洋資源の利用を中心に-」を国立民族学博物館において開催した。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] カナダにおける北西海岸先住民ヌーチャヌルスの捕鯨と先住権2014

    • 著者名/発表者名
      岸上伸啓
    • 雑誌名

      北海道立北方民族博物館研究紀要

      巻: 23号 ページ: 24-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アラスカ北西地域におけるイヌピアットの食料の安全問題2014

    • 著者名/発表者名
      岸上伸啓
    • 雑誌名

      人文論究

      巻: 83 ページ: 75-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カナダ・イヌイットのホッキョククジラ猟と先住権2013

    • 著者名/発表者名
      岸上伸啓
    • 雑誌名

      カナダ研究年報

      巻: 33号 ページ: 1-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Aboriginal Subsistence Whaling in Barrow, Alaska.2013

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Kishigami
    • 雑誌名

      Senri Ethnological Studies

      巻: 84 ページ: 101-120

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anthropological Research on Whaling: Prehistoric, Historic and Current Contexts.2013

    • 著者名/発表者名
      James M. Savelle and Nobuhiro Kishigami
    • 雑誌名

      Senri Ethnological Studies

      巻: 84 ページ: 1-48

    • 査読あり
  • [学会発表] アラスカ先住民イヌピアットの鯨肉の分配と流通について

    • 著者名/発表者名
      岸上伸啓
    • 学会等名
      日本文化人類学会
    • 発表場所
      慶応大学三田キャンパス
  • [学会発表] The Inuit bowhead whale hunt and indigenous reights in Canada

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Kishigami
    • 学会等名
      International Union of Anthrpological and Ethnological Sciences
    • 発表場所
      幕張メッセ
  • [図書] 北極海にクジラを追う人びと-アラスカ捕鯨民の変容(仮題)2014

    • 著者名/発表者名
      岸上伸啓
    • 総ページ数
      196
    • 出版者
      臨川書店
  • [図書] Anthropological Studies of Whaling2013

    • 著者名/発表者名
      N. Kishigami, H. Hamaguchi, and J. M. Savelle (eds.).
    • 総ページ数
      366
    • 出版者
      National Museum of Ethnology
  • [備考] スタッフ紹介 岸上伸啓

    • URL

      http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/organization/staff/kishigami/index

  • [備考] 北アメリカ地域における先住民生存捕鯨と先住権(2009-2013)

    • URL

      http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/project/other/kaken/21401045

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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