研究課題/領域番号 |
21402009
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
奥田 進一 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (60365864)
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研究分担者 |
関 良基 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (40459269)
長 友昭 拓殖大学, 政経学部, 助教 (20555073)
平野 悠一郎 森林総合研究所, 研究員 (00516338)
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キーワード | 林権 / 中国法 / 法社会学 / 自然資源 / コモンズ |
研究概要 |
今年度は、各調査担当者が合同で広西省の調査対象地を訪問して、関係各機関および現地住民からの大規模な聞き取り調査を実施した。その際に、林業経営実態調査の観点を損なわないために、事前の研究会を5回にわたって開催し、現地に進出している日系企業と現地政府との連携上の問題点を広く予測して調査に臨んだ。その結果、権利関係の特徴、地域コミュニティの再生とコモンズ的土地利用の進展、自然資源法政策実施状況と法政策との乖離等の問題に対する理解を深めることができただけでなく、抵当権や質権制度など、林権を軸とした金融制度の確立と問題点、林権証発行のプロセス、個人所有に係る林権の存在等、少なくとも既存の文献では了知できなかった新しい問題点を発見することができた。 また、今年度は国内における林業制度や土地利用の在り方との比較研究も実施し、研究代表者である奥田進一中心となって、宮城県および兵庫県における林業経営の事例について、農業法政策の枠組みにおいて実地調査を行った。 さらに、関係するテーマで類似の研究をしている自然科学あるいは社会科学分野の研究者と共同で企画した国際シンポジウムにも参加して、これまでに得られた知見の整理を行い、中国の環境法政策や自然保護関係技術との関係で、森林保護と林権政策がどのようにかかわっているのかについて理解を深めることができた。このほかに、各研究分担者が購入した書籍等の記載内容を精査して、データベース化の作業を実施した。
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