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2009 年度 実績報告書

南アジア系移民の政治動員における宗教の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21402015
研究機関専修大学

研究代表者

広瀬 崇子  専修大学, 法学部, 教授 (20119431)

研究分担者 石川 一雄  専修大学, 法学部, 教授 (60095552)
伊藤 融  防衛大学校, 人文社会科学群, 准教授 (50403465)
北川 将之  神戸女学院大学, 文学部, 講師 (00365694)
キーワード南アジア / ディアスポラ / 宗教施設 / 移民政策 / マイノリティ
研究概要

本年度はシク教徒、カシミール系ムスリム、スリランカ出身のタミル人の3つのコミュニティのホスト国内での政治活動と宗教の関係の現地調査を行った。主な発見は以下の通りである。今後さらに調査を重ね、これらの仮説を検証し、3つのコミュニティの比較を行う予定。国内ではデータのデジタル化の作業を進めている。
(1) タミル人についてはこれまで紛争が継続中であったため控えていたが、一応武装闘争が終結したので、初めて本格的な調査を行った。東ロンドンに大きなコミュニティがある。そこの市議会議員を中心に調査を行った。多くのタミル人は本国の紛争によって脱出を余儀なくされたが、比較的安定した生活を確保し、今度はその財力を使って、ジャフナの再建を考えている。本国政府との力関係が大きく変化したことがわかった。宗教はあまり大きな役割を果たさず、本国の政治問題が最大の凝集力となっていると考えられる。
(2) ホスト国におけるマイノリティ政策が転換期を迎えていることが明らかとなった。カナダの多文化主義はケベック州内では通用しない状況で、早い時期にケベックに移住した南アジア出身の英語話者は厳しい環境に置かれ、ここではコミュニティ活動は極力抑えられている。国家、州、さらに地方自治体という異なるレベルでマイノリティ問題を重層的にとらえる必要があることが新たな課題として浮かんだ。
(3) ホスト国におけるコミュニティ活動および政治動員における宗教の役割は、ムスリム、シク教徒の場合は大きいが、スリランカ・タミルにとってはそれほど重要ではない。それはヒンドゥー教徒がさらに言語などによって分断されていることが一因であるが、ムスリムと比較すると興味深い。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マイクロファイナンスと陳情行動-インド・バンガロール農村県の村民集会の事例から2010

    • 著者名/発表者名
      北川将之
    • 雑誌名

      女性学評論 第24号

      ページ: 99-121

  • [雑誌論文] 深刻化するパキスタンのテロ問題2009

    • 著者名/発表者名
      広瀬崇子
    • 雑誌名

      中東研究 第506号 Vol.3

      ページ: 3-10

  • [雑誌論文] 核拡散をめぐる国際政治:インド・パキスタンの核兵器開発を中心に2009

    • 著者名/発表者名
      広瀬崇子
    • 雑誌名

      日本原子力学会誌 Vol.51 No.10

      ページ: 21-24

    • 査読あり
  • [学会発表] アジアにおける力の移行-インドの視点2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤融
    • 学会等名
      国際安全保障学会
    • 発表場所
      同志社大学(京都府)
    • 年月日
      2009-12-05
  • [学会発表] 大国化するインドの対大国外交2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤融
    • 学会等名
      日本国際政治学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2009-11-07
  • [学会発表] 核拡散をめぐる国際政治:インド、パキスタンの核兵器開発を中心に2009

    • 著者名/発表者名
      広瀬崇子
    • 学会等名
      日本学術会議・原子力学会、原子力総合シンポジウム
    • 発表場所
      日本学術会議講堂(東京都)
    • 年月日
      2009-05-28
  • [図書] 東アジアの国際関係-多国間主義の地平2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤融
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      有信堂

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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