研究課題
本研究は中国山村地域における経済開発及び環境保全の実態と今後の展望を事例調査研究によって明らかにしようとするものである。改革開放政策以来中国では格差問題や環境問題が生じている。農村地域では、農地転用と減少、農薬の残留、工業排水による河川汚染、植生破壊による水土流出や洪水多発、水不足による砂漠化が進行している。とりわけ山村地域では、貧困の解消、医療や介護の充実、居住空間の整備などが焦眉の課題となっている。そこで「和諧社会」が唱えられ、階層格差の縮小、塵業開発と環境保全の調整が目指されている。本研究では、こうした中国山村地域の問題状況及び貧困脱出と環境再生との調和的発展を目指す社会構造の変容を数次にわたって調査実証する。第2年度である平成22年度は、研究代表者及び研究分担者の調査打ち合わせを数回開催して、平成22年度の調査計画を検討した。それを踏まえて平成22年4月に現地調査を実施した。また9月に河北省社会科学院の共同研究者を招き、国際シンポジウムと中国と比較するために日本農村の調査を実施した。中国河北省平山県温塘鎮北馬塚村における現地調査では、県、鎮、村の各レベルにおける各種機関代表者に対するヒアリングを行い、対象地の概況把握に務めた。また北馬塚村の個別農家5戸に対するインタビュー調査を実施した。日本での国際シンポジウムでは、河北省における税制改革や財政改革についての報告と質疑を行った。日本農村調査では、岩手県及び山形県の行政機関や個別農家でのインタビュー調査を実施した。第3年度になる平成23年度も引き続き現地調査を実施する予定である。
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