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2011 年度 実績報告書

紛争後のリベリアにおける薬物汚染の実態調査と薬物依存症者のリハビリテーション促進

研究課題

研究課題/領域番号 21402036
研究機関神戸女学院大学

研究代表者

金田 知子  神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (10351850)

研究分担者 落合 雄彦  龍谷大学, 法学部, 教授 (30296305)
キーワードリベリア / 薬物依存 / 紛争 / リハビリテーション / アフリカ / ドラッグユーザー
研究概要

本研究の目的は、紛争後のリベリア社会において深刻化している薬物汚染の実態を調査するとともに現地の関係者と協力しながら、薬物依存症者のリハビリテーション促進のための方策を検討することにある。
2011年度は8月~9月、2月~3月の2回、リベリアの首都モンロビアを訪問し調査を行った。8月~9月の調査では、モンロビア市内のゲットー(薬物依存症者の溜まり場)やドラッグコミュニティに出向き、参与観察とグループインタビューを実施した。ストリートで暮らすドラッグユーザーの間でも、その生活形態は多様で、廃墟となった家に20人ほどで暮らし拡大家族のような互助関係を形成している者もいれば、単独で民家の軒下を転々として日々の生活を送る者もいた。また薬物の密輸入および乱用に関する法律がない状況下で、暴力と賄賂でドラッグ乱用を取り締まろうとする警察と、それに対して強い反発を呈するドラッグユーザーの間に強い緊張関係が見られた。2月~3月の調査では、個別のドラッグユーザーへのフォローアップ調査と現地のNGOとドラッグユーザーのためにリハビリテーションプログラムについての検討を行った。エレン・ジョンソン・サーリーフ大統領の再選によって、リベリア、特に首都モンロビアは急速な勢いで開発が進んでいる。その一方、ドラッグユーザーたちはその恩恵を被ることなく、社会的排除の対象となっている。警察からの軋轢、道路拡張によるコミュニティの解体によって、彼らの生活は、ますます厳しい状況に追い込まれると同時に、彼らの存在がアンダーグラウンド化してきている。
こうしたドラッグユーザーのためのリハビリテーション対策は喫緊に取り組むべき課題ではある。持続可能なプログラムを運営するためには、当事者たちが主体的に参加できるソーシャルビジネスの設立の可能性を模索することが現実的であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地のカウンターパートとともに、現地の実態調査を実施しており、また現地のNGOとドラッグユーザーのためのリハビリテーション促進プログラムについて協議している。

今後の研究の推進方策

今後は、これまでの調査結果を、本(『アフリカとドラッグ(仮)』)にまとめて出版する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] リベリア都市部におけるドラッグ使用の素描2012

    • 著者名/発表者名
      金田知子
    • 雑誌名

      神戸女学院大学論集

      巻: 第59巻 ページ: 39-48

  • [図書] アフリカと世界2012

    • 著者名/発表者名
      川端正久・落合雄彦編
    • 総ページ数
      450
    • 出版者
      晃洋書房
  • [備考]

    • URL

      http://hare.law.ryukoku.ac.jp/~ochiai/kaken-Liberia.htm

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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