研究課題/領域番号 |
21402039
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
角川 雅樹 東海大学, 外国語教育センター, 教授 (90188607)
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キーワード | ラテンアメリカ / 日系人 / 日本の若者 |
研究概要 |
平成23年度は、その前の2年間と比べるとラテンアメリカや日本で大きな問題がなく、アルゼンチンの経済状況も比較的安定し、デング熱も収束した様子だったので、アルゼンチンの調査を開始することができた。また、ブラジルとメキシコの調査も継続実施できた。 サンパウロは冬なのに30度もあり、その点たいへんだったが、サンパウロ大学のキャンパスやリベルタージ地区にて、面接調査とパーソナリティテストを実施、男性8名と女性12名の資料を集めることができた。また、移民資料館にて必要資料の探索を行なった。メキシコシティでは、メキシコ国立自治大学や日墨協会で面接とテストを施行し、男性14名、女性8名の資料が得られ、また、上記大学の図書館やメキシコ国立精神医学研究所にて、必要資料の探索を行なった。一方、アルゼンチンでは、ブエノスアイレス大学と、「日本庭園」という名の大きな整備された庭園、さらにその周囲に広がる緑に囲まれた広大な地区にて、面接と上記のテストを実施できた。夏にもかかわらず戸外でも過ごしやすく、サンパウロとは対照的で、男性18名、女性15名の資料が集積できた。また、現地の専門家との会談も実現し意見を聞くことができた。 これまで集めた資料を入力する作業を進め、比較のための日本側の資料の整備もはかどっており、最終年度に向けて、ほぼ計画どおりの状況といえる。現地日系人と接していると、やはり、前向きの姿勢を感じることが多いが、とくにアルゼンチンでは現地経済状況に関わる「不安」が強く、その点が影響している面もあり、その点と、もともと前向きなパーソナリティである点を、区別する必要があると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゼンチンは、現地の政治経済状況の不安定に起因する各種のデモがあり、また、デング熱の蔓延があったため、今年度まで調査を実施できなかったが、今年度ある程度挽回することができた。メキシコとブラジルでは、当初の計画に沿ったかたちで実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、上記の理由から、資料の比較的少ないアルゼンチンに特に焦点をあてて調査を実施する予定。面接資料の入力がけっこう大変なので、次年度は日本での作業が多くなると思われる。計画の変更は必要なく、また、研究を遂行する上での問題点も、今のところないと思われる。
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