研究課題
本研究は、地上からの南北共役点観測が地球上で唯一可能である利点を最大限活用し、オーロラの形状や動き、発光強度とスペクトルを高精度で同時観測し、南北半球間の対称性・非対称性の特性を定量的に明らかにする。そして、非対称性を起こす原因を太陽風-磁気圏-電離圏相互作用の観点から探ることにより、オーロラ発生機構の本質を解き明かすことを目的としている。平成21年度の現地観測では、前年同様に、共役点での可視オーロラの同時観測が可能な秋分期の9月にアイスランドにおいて南極昭和基地とのオーロラ同時観測を実施した。アイスランド・チョルネス観測拠点では不在中暴風雨の被害を受け損傷したオーロラ観測用屋外ドーム等の修理を行なうとともに、新たに簡易型高感度TVカメラを設置した。また、昭和基地とアイスランドで同時に観測した画像データは、インターネットを用いることにより、どこでも同時に表示できる新たなwebシステムの立ち上げに成功した。さらに、9月20-21月には昭和基地とのオーロラ共役点同時観測に成功した。このイベントの特徴は、観測開始当初の時間帯は共役性が悪かったが、真夜中過ぎからは大変良い共役性を示す現象へと変化して行った。このオーロラ形状の共役性、および、共役点位置の時間・空間移動を理解するために、太陽風パラメータと地球磁気圏相互作用の関係を詳しく探っている。また、フッサフェル観測拠点では、観測用コンテの設置準備作業を行なったり、故障した掃天フォトメータの持ち帰り作業を行なうとともに、地磁気等のモニタリング観測やMF帯オーロラ電波の偏波観測の連続観測を継続観測した。
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