研究課題
本研究は、地上からの南北共役点観測が地球上で唯一可能である利点を最大限活用し、オーロラの形状や動き、発光強度とスペクトルを高精度で同時観測し、南北半球間の対称性・非対称性の特性を定量的に明らかにする。そして、非対称性を起こす原因を太陽風-磁気圏-電離圏相互作用の観点から探ることにより、オーロラ発生機構の本質を解き明かすことを目的としている。平成22年度の現地観測では、前年度同様に、共役点での可視オーロラの同時観測が可能な秋分期の9月にアイスランドにおいて南極昭和基地とのオーロラ同時観測を実施した。アイスランド・フッサフェル観測拠点では、前年度持ち帰り修理した8CH掃天フォトメータを再設置し自動運用を行った他、全天単色イメージャや簡易型高感度カメラ(Watec)の自動運用も行った。またイメージングリオメータデータ収録部の更新や、MF帯オーロラ電波観測装置の保守・改良なども行った。チョルネス観測点においては、Watecシステムを新たに一式追加設置し自動運用を行った他、老朽化したイメージングリオメータの撤去作業などを行った。アイスランドと昭和基地からのWatecデータやイメージングリオメータデータは、準リアルタイムに極地研の計算機システムに伝送され、観測終了後はサマリプロットを自動作成し、それらをWeb上で見ることができるシステムの構築も進めた。9月13-14日には比較的静かなオーロラ活動ではあったが昭和基地との間での同時観測に成功した。また、9月7-8日には、アイスランド側だけではあったが、非常に活発な脈動オーロラが観測され、アイスランドの大型短波レーダーとの同時観測に成功した。オーロラ観測機器が自動運用されるようになったため、人が滞在した9月の共役点期間のみではなく、翌年3月の共役点期間にも、昭和基地との間でオーロラ共役点同時観測データを取得することが出来た。
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