研究概要 |
平成21年度、4回の現地調査を実施した。 第一回調査(8月)では坂部での通行性確保のために,タイヤ走行個所を幅約50cmでコンクリートで補強された道路の経過状況を調査した.土のうを利用して路盤を構築し,補強材に現地調達が比較的容易な金網フェンスを利用し厚さ10cmのコンクリートを打設し整備された.しかし、道路排水が路面に流出し,コンクリート補強部周縁の土壌侵食が進んだ.そのためコンクリート端部が破壊している様子が観測された. 第二回調査(9月)では住民参加型農道整備活動の影響評価に最適と考えられる,研究対象地域を検討した.パプアニューギニア山間部での幹線道路整備状況,地域確認のための情報収集を首都のポートモレスビーで行った.その結果,現在整備計画が進む幹線道路に接続する農道沿線のコミュニティを,研究対象とすることとした.具体的にはサザンハイランド州とエンガ州である.住民参加による農道整備の結果,新たに整備された幹線道路への接続が可能になることで,大きな影響が現れると考えられる. 第三回調査(2月)では第二回調査結果をもとに,研究対象コミュニティ選定基準の整理,道路管理者との協議,研究拠点の立上げと整備を行った。 第四回調査(3月)では研究対象地域の社会科学的,文化的特徴を把握するための調査活動を行った.またコミュニティ支援活動を進める上で許可を得るべき行政機関,協力機関(NGOや教会グループ)を把握し,現地での今後の研究活動を円滑に進める上で留意すべき点を調査した. 平成21年度の研究成果をまとめる. 1.研究対象地域をパプアニューギニア,サザンハイランド州とエンガ州とした. 2.社会科学的見地も踏まえ,研究対象道路の選定基準を明確にした. 3.勾配部の整備は,道路排水の整備とともに路面の補強方法についてもさらに検討を加える必要がある.
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