平成21年度は、(アジア海域)8月24-30日の間、ニャチャンに滞在し、周辺の海域6か所(水深5-15m)で海洋生物サンプルの採集を行い、74検体のサンプルについて採集調査をおこなった。また、9月6-13日の間はミクロネシア・トラック環礁および君島環礁(太平洋州)海域水深0-40mにおいて、海綿・腔腸などの海洋無脊椎動物142検体のサンプルについて採集調査を行った。ヴェトナムにおいてはVAST(Vietna mise Academy of Science and Technologies)との共同研究によって調査を行い、また、ミクロネシアではミクロネシアカレッジとの共同研究により調査を行った。調査対象とした海洋生物は、陸上でサンプル番号を付けた状態でスチル撮影して記録に残し、水中での生態写真があるものは直ちに陸上で付けたサンプル番号をもとに整理した。さらに、調査場所および調査風景についても、水中スチル写真および水中ビデオ撮影を行って記録に残した。調査採集した海洋生物サンプルについては、帰国後研究室内でアルコールにて抽出・濃縮後、水とクロロホルムで二層分配して、それぞれの層を濃縮して、それぞれを水溶性および脂溶性画分とした。得られた各画分をスクリーニングサンプルとし、これらに対して細胞毒性・酵素阻害・細胞分化制御・抗原虫等の生理作用を調べる各種生物活性試験を開始し、採集サンプルに含まれる有用成分の分析を行っている。
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