研究概要 |
広島大学院生を1ヶ月間,釜慶大学に派遣して,日韓が共同で行った「釜山新港奥海域(竜院湾)での水質,底質の現地調査」および「流れ場のシュミレーション」結果から,建設に伴って泥化した竜院湾の現状と汚濁の要因を把握した.釜山新港建設のための埋め立て後,強い閉鎖性海域となった竜院湾奥海域で調査し,底泥浄化の実証実験実現に向けた取り組みを始めた.この調査結果から底質環境の修復を必要な海域を竜院湾西部海域に特定し,この海域において効率的に底質改善を行うために必要な現地実験を実施し,来年度以降に実証実験を行うための企画案を作成した.この企画案に基づき「海底泥質の効率的な浄化方法(国際特許取得準備中)」を現地対象海域へ適用するための準備を釜慶大学李先生および韓電等と開始した.日本とは異なる環境化において現地調査を実施し,それぞれの地形,流れ場,有機物負荷の特性を明らかにし,日本で確立した技術の韓国での使用法について検討できた.現地調査および計画作成時には日本で開発された技術を韓国で行うために,浄化技術以外の様々な障害を克服することもアジアに技術移転を行う課題であることも理解できた. 一方,広島湾において,閉鎖性海域に堆積したヘドロの浄化のための現地実証実験を開始した.本実証実験は,200m×300mの実規模の実験であり,ここで得られた知見はそのまま竜院湾での現地実験に利用される.実証実験区の施工により「石炭灰造粒物散布」のために必要な技術の基本性能を明らかにできた.来年度,これらの物理的,化学的特性に合った底泥再生技術の竜院湾への適用法を検討するために必要な基本成果が整理された.
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