研究課題/領域番号 |
21404012
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
板山 朋聡 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (80353530)
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研究分担者 |
岩見 徳雄 明星大学, 理工学部, 准教授 (00353532)
杉浦 則夫 筑波大学, 生命科学研究科, 教授 (10302374)
清水 和也 東洋大学, 生命科学部, 助教 (10581613)
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キーワード | 藍藻 / 養魚池 / タイ国 / ミクロシスティス / 藍藻毒 / ミクロシスティン / カビ臭物質 / ジオスミン |
研究概要 |
タイのチェンマイにあるメジョー大Niwooti准教授の研究室を中心に、パヤオ大、チェンマイ大と連携してテラピアとナマズの養魚池を昨年度調査し、microcystinのHPLC分析と凍結サンプルからの新規DNA抽出法を開発し、microcystin産生遺伝子mcyD、16SrDNAの藍藻特異領域とMicrocystis sp.特異領域のTaqman定量PCRを実施した。テラピア池とナマズ池すべて(39池)で藍藻が検出され、Microcystis sp.はテラピア池41%、ナマズ池は76%、microcystinはテラピア池18%、ナマズ池では35%でそれぞれ検出された。また、mcyDが検出されmicrocystinが検出されないテラピア池も5つあり、タイ北部養魚池はmicrocystin非生産株の割合が高いことが示唆された。 パヤオ近郊の鶏糞等の肥料を加えたナマズ池(2池:月2回採水)、さらに豚飼育小屋を池上に設置したテラピア池、Maejo大学にナマズとテラピアの実験養魚池(週1回採水)をそれぞれ定期モニタリングの対象池とした。藻類群集(藍藻、緑藻、ケイ藻)の光顕による正確な同定計数のための藍藻の形態データベースの作成を実施した。また、水質とmicrocystinの分析、定量PCRによる藍藻群集解析を継続し、現在までに、餌の大量投入とナマズの底泥擾乱でパヤオのナマズ池は有毒Microcystis aeruginosaが多量に出現し毒性が高く、テラピア池では糸状藍藻が多くなる傾向が判明した。Maejo大の養魚池でも同じ傾向が示され、それらの生理特性解析のためのM.aeruginosa,とPhormidium sp.の単離培養にも成功した。養魚中のmicrocystinとカビ臭分析のためにテラピアとナマズと、microcystin分解菌とかび臭産生菌のサンプルを凍結保存した。
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