1) 本研究にかかわる協定書の締結・交換:本研究にかかわる調査等に対する便宜供与および協力をうたった協定書を8月末、ブイチュウ教区大司教との間で署名・交換することができた。 2) ファットジェム教区における悉皆調査の完了:2007年に実施したブイチュウ教区における悉皆的調査と同様、本年度早々、隣接するファットジェム教区でも全教会堂を対象とした悉皆調査を完了した。 3) ブイチュウ教区およびファットジェム教区における木造教会堂の実測調査:ファットジェム教区において上記の悉皆調査を踏まえて、9月に10件の教会堂を実測調査した。また、昨年度すでに16件の調査を終えているブイチュウ教区において、昨年度調査を共同して行ったベトナム人協力者に委託して12月までに15件を実測調査し、また自ら本年3月に3件の実測調査を実施した。 4) 論文発表:これまでの両教区における悉皆および実測調査の成果にもとづき、それらの分析考察を行い、CIPA国際シンポジウムおよび日本建築学会に4篇の論文を発表した。 5) 双方向型データベースのHP公開用試作版の立上げおよび本格公開にむけたワークショップの実施:ブイチュウ教区における悉皆調査ならびに実測調査の成果などをもとに、各教会の地図情報、図面・写真、建築的記述などを記載したデータベスを、教会側関係者も閲覧利用できる閲覧編集機能をもったシステムの試作版を2月までに立てあげることができた。また、これを用いて3月には現地、ブイチュウ教会神学校大講堂でこれまでの調査研究に関する説明会およびワークショップを実施し、来年度夏季以降の本格運用にむけた確認作業を行った。
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