1)ハノイでの調査報告会・専門家研究集会の実施:教会関係者や信者ら150~200人を集め、過去ブイチ-ユウ教区3カ所、ファットジェム教区1か所、計4か所で実施した調査報告会ならびに教会堂の保存活用に関するワークショップを受けて、平成23年11月8日、ハノイ市内のホテル会議室において、現地の歴史考古・建築等の研究者やキリスト教関係者など合計20名ほどを集めた調査報告会ならびに研究集会を開催した。ベトナムの教会堂、とくに木造教会堂建築の歴史的・文化的価値や教会群としての文化景観的な価値づけを行なうとともに、それらに対する今後の保存活用などを議論する場となった。 2)木造教会堂に関する小冊子(日英2カ国語版)の刊行と配布:現地など海外で一般向けの配布を意図して「Timber-franed Churches in Northern Vietnamベトナム北部の木造キリスト教会堂」と題するカラー刷り小冊子を11月に刊行。ハノイでの研究集会、パリでのICOMOS総会やCIAV(ヴァナキュラー建築に関するイコモス国際専門学術委員会)の年次会議などで、海外の歴史学、建築史や建築保存などの専門家などに配布した。現地信者配布用にブイチュ教区とファットジェム教区に送付した。 3)研究成果報告書の刊行と配布:「北部ベトナムの木造教会堂に関する建築史的研究」と題して、これまで3か年間の調査および研究の成果を報告書としてまとめた。主として国内の建築史学や建築保存の研究者や専門家などを中心に配布して、研究成果の公表に努めた。 4)論文発表:日本建築学会に4篇の論文(うち2編は査読付き)を投稿し、発表した。 5)データベースをWeb上で公開:これまでの調査などで得た情報(各教会の地図情報、図面・写真、建築的記述など)を記載したデータベースを、Web上で公開した。
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