研究課題
インドのガンジス川に棲息する希少野生動物であるガンジスカワイルカおよび淡水棲イルカ類の生態解明および棲息環境保全を目的として、研究を推進している。研究2年目となるH22年度は、平成21年度(2009年11月~)にから乾季の数ヶ月間に継続して行っているナローラ地区に棲息する10数頭のガンジスカワイルカのグループの長期リアルタイム生態音響モニタリングの成果を基に、フィールド調査に適したロバストなアレイシステム構築のために現システムの改良と調整を行うとともに、CDMAモデムから来る電気ノイズ除去対策やリアルタイムデータ送信システムの不具合や調整等ソフトウエアの改良を進めた。また、音響特性の差違を利用したイルカの個体識別研究推進に向けて、Centroid frequencyによる信号レベルの識別方法を導入した。観測システムとソフトウエアの改良を反映させて、2010年11月28日より、平成22年度の長期リアルタイム生態音響モニタリングは開始され、2011年4月現在も観測は継続されている。装置の改良やソフトウエアの改良・構築と並行して、長期観測によってのみ得ることが出来る河川環境や地形の経年変化にともなうガンジスカワイルカの行動様式変化について、イルカの位置情報、クリック総数等のパラメタを基に総合的解析を進めている。解析の元となる基本データを、観測者専用HP上にアップすることにより、日本とインドの共同研究者が同時にデータを共有することができるようになった。これまでのガンジスカワイルカの長期リアルタイム生態音響モニタリングの成果をもとに、インドのチリカ湖やボルネオのマハカム川に棲息する希少淡水棲イルカ類であるカワゴンドウのリアルタイム音響観測に向けた試行を進めている。計測環境や観測対象生物により観測システムの展開方法等は考慮する必要があるが、システムの基本仕様とソフトウエアを共通化することで、各観測地点の観測者がデータ共有できるリアルタイム淡水棲イルカ類の観測ネットワーク構築に向けて、インドやボルネオの関連する研究者らと情報交換も推進している。
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Proc.Oceans2010 Sydney
巻: CD-Rom Proceedings
海洋音響会2010年度研究発表会講演文集
ページ: 81-84
Proc.Techno-Ocean2010, Kobe
第22回海洋工学シンポジウム講演論文集
http://asian-underwater.jpn.org/dolphin/index.html