研究課題
23年度は、現地調査を実施しなかったので、以下の目的を達成するため、今までの調査で日本に持ち帰った試料の分析や室内実験を行った。研究の目的は、(1)高アルカリ泉を作り出す地質学的条件とその地球科学・地球工学的インパクトの解明、(2)高アルカリ環境における地球化学的諸現象(沈澱、吸着、表面錯体、固液分配等)の解明、(3)高アルカリ環境に適応した微生物群集や動物種のスクリーニングとその適応機構の解明、(4)自然が作り出したコンクリートの長期挙動とその生成に学ぶ二酸化炭素貯留法の解明のための地下水挙動の解明である。その結果、(1)高アルカリ泉を作り出す地殻ーマントル境界に発達したマントル延性剪断帯の構造とその発達が明らかとなった、(2)高アルカリ環境における炭酸塩鉱物の生成とその速度式を導き、調査地で観察された生成量を再現することに成功した、(3)高アルカリ泉から新規微生物遺伝子や炭酸塩形成候補菌の分離・同定に成功し、その詳細を明らかにした、(4)高アルカリ泉の周囲に3種の淡水魚と1種の無尾両生類の棲息を確認し、アルカリ温泉水への適応機能について明らかにした。これらの成果については、8月に北海道大学で開催されたワークショップで報告・議論し、その成果を月刊地球の特集号(オマーンに湧出する高アルカリ泉から学ぶアルカリ環境の地球・生物資源科学)としてまとめた。また1月に連携研究者の一部と研究代表者の研究室に所属する大学院生が、オマーンで開催された国際会議(International Conference on the Geology of the Arabian Plate and the Oman Mountains)に参加して本学術調査で得られた成果のまとめを発表した。
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すべて 雑誌論文 (22件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (25件)
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