研究課題/領域番号 |
21405007
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
中村 雅彦 上越教育大学, 学校教育研究科, 教授 (90272880)
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研究分担者 |
西海 功 国立科学博物館, 動物研究部, 研究員 (90290866)
堀 道雄 京都大学, 理学研究科, 教授 (40112552)
森 哲 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80271005)
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キーワード | 生態学 / 進化 / 行動学 |
研究概要 |
研究代表者の中村は、交付中請書記載したように15種いるオオハシモズ類のうちクロアゴオオハシモズの血液の採血、繁殖システムを明らかにするため、平成21年10月にマダガスカル南部に位置するベレンテイ保護区に滞在した。約10日間野外調査を行ったが、クロアゴオオハシモズは保護区の中で繁殖していないことがわかった。そのため、調査地をマダガスカル東部に位置するマロミザに移すともに、調査対象種をゴジュウカラオオハシモズとニュートンヒタキに変更した。11月から12月にかけて両種を探索した結果、ゴジュウカラオオハシモズの巣は発見できず、ニュートンヒタキの巣を1巣だけ発見できた。そこで、ニュートンヒタキの造巣、抱卵行動における雌雄の役割分担を調査した結果、ニュートンヒタキの雌雄は、ともに造巣、抱卵することがわかった。 今年度の調査から、クロアゴオオハシモズはベレンテイ保護区の中では繁殖しないこと、ゴジュウカラオオハシモズはマロミザでは個体数がきわめて少ない種であること、ニュートンヒタキは一夫一妻の可能性が高いことがわかった。ニュートンヒタキから採集した血液は、研究分担者の西海にり、現在、系統を分析中である。 研究分担者の堀と森は、平成21年10月から12月にかけて、マダガスカル西部に位置するアンカラファンチカ国立公園内でハシナガオオハシモズ、アカオオハシモズ、チェバートオオハシモズ、ニュートンヒタキの食性調査に従事した。ここでは、これらオオハシモズ類は、地上や樹上の昆虫と小型の爬虫類を採食することが明らかになった。地上や樹上の昆虫は戻虫類の餌でもある。堀と森は、ハシナガオオハシモズ、アカオオハシモズ、チェバートオオハシモズ、ニュートンヒタキなどの鳥類は、昆虫を食べる一部のヘビ、トカゲと競争関係にある一方で、タカなどの猛禽類は共通の敵とする相利共生的な観点で調査を継続することになった。
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