研究概要 |
研究代表者の中村は、交付申請書に記載したように15種いるオオハシモズ類のうちクロアゴオオハシモズの血液の採集、繁殖システムを明らかにするため、平成22年10月にマダガスカル南部に位置するトリアーラ近郊のイファテイに滞在し。約一ヶ月半調査した。イファテイには,ハシナガオオハシモズ,チェバートオオハシモズ,ニュートンヒタキも生息することから,クロアゴオオハシモズにくわえ,これら3種の繁殖生態に関するデータも収集した。トリアーラ近郊の半砂漠地帯には,カタアカオオハシモズが繁殖することが今回の調査ではじめてわかった。造巣行動,抱卵行動,育雛行動からクロアゴオオハシモズ,カタアカオオハシモズとも一夫一妻の可能性が高い。クロアゴオオハシモズとニュートンヒタキから採集した血液は、研究分担者の西海により、現在、系統を分析中である。 研究分担者の森は、マダガスカル西部に位置するアンカラファンチカ国立公園内でハシナガオオハシモズ、アカオオハシモズ、チェバートオオハシモズ、ニュートンヒタキの食性調査に従事した。ここでは、これらオオハシモズ類は、地上や樹上の昆虫と小型の爬虫類を採食することが明らかになった。地上や樹上の昆虫は爬虫類の餌でもある。ハシナガオオハシモズ、アカオオハシモズ、チェバートオオハシモズ、ニュートンヒタキなどの鳥類は、昆虫を食べる一部のヘビ、トカゲと競争関係にある一方で、タカなどの猛禽類を共通の敵とする相利共生的な観点で調査を継続することになった。研究分担者の堀は,ヌシ・ベとマロミザ公園でオオハシモズ類の餌となる昆虫相の調査を行った。
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