研究課題/領域番号 |
21405009
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 英樹 北海道大学, 総合博物館, 教授 (70142700)
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研究分担者 |
藤井 紀行 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (40305412)
大泰司 紀之 北海道大学, 総合博物館, 資料部研究員 (50001532)
矢部 衛 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (80174572)
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キーワード | 植物 / 動物 / 絶滅危惧種 / 外来種 |
研究概要 |
ロシア側より出版されている『サハリン地域のRDB植物編』(2005)と、最新の『千島列島の維管束植物相』(Barkalov 2009)の和訳作業・DB化作業を進めている。これにより植物についてはロシア側による絶滅危惧種や外来種の地理情報がほぼ整理された。それ以外の生物種については和訳作業・DB化作業は継続中である。 現地調査については、21年度は10月18日~29日の日程でおこなわれたビザなし交流の国後島訪問に同行することができ、古釜布からセオイ川、乳呑路等の自然林や海岸、市内などで植物調査を行うことができた。国後島の自然植生は概ねよく保存されているが、チャチャ岳南西の乳呑路周辺で、外来種のオオハンゴンソウの群生を確認した。本種は北海道においても自然植生を脅かす外来植物として警戒されている所だが、これまで自然度が高いとされていた国後島においても外来植物の脅威は例外ではない事を表している。本調査の意義をあらためて示していると思われ、短報を準備中である。 プロジェクト初年度は、ビザなし交流枠での参加のためのさまざまな事務手続き等をクリアーすることを第一目標としたので、この点では初年度から実地調査ができたのは何よりであった。但し、今回は概ね該当年度のビザなし交流枠が既に決まった後からの調査であったため、植物研究の1名(プラス通訳1名)しか実地調査には参加できなかった。このため今年度は、サハリン植物園の研究者を日本に招聘するなどして、次年度以降のロシア側との共同調査の体制構築を万全にすることに意を払った。
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