研究課題/領域番号 |
21405011
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三島 美佐子 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (30346770)
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研究分担者 |
阿部 芳久 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (50222675)
植田 知香 (須山 知香) 金沢大学, 自然科学研究科, 研究協力員 (40464044)
湯川 淳一 九州大学, 農学研究院, 学術特任教授 (80041622)
徳田 誠 九州大学, 高等教育開発センター, 助教 (60469848)
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キーワード | 生物地理 / アジア / 種分化 / 進化 / 適応放散 / 多国籍 / 寄生 / 生物間相互作用 |
研究概要 |
初年度:にはアッサム州東部を基地として現地調査を行い、帰国後研究チームで分担し材料の形態解析とDNA解析にあたることとしていた。現地カウンターパートの協力研究者を招聘し、共同研究体制について議論するとともに、現地の様子や現地昆虫相・植物相についての情報交換を行った。当初は秋と春の2回渡航する事を予定していたが、協力研究者からの情報や、タマバエ類とタマバチ類の間で羽化時期がずれることも考慮し、1月(主にタマバエ類を対象)と3月(主にタマバチ類を対象)の2回現地調査を行った。2回の調査で、計約20種のゴールと、数種の寄生蜂が採集された。そのうち2種のタマバチについては、日本に分布する種と同種あるいはごく近縁であるということが示唆されたものの、採集されたゴール形成昆虫のほとんどは、未記載種あるいは少なくとも新記録種であると考えられる。一部の種はまだ発育途中で成虫が得られなかったため、現地協力研究者に採集植物の維持と羽化成虫の確保を依頼し、次年度に形態観察を行うもこととした。また、インド国外へのサンプル持ち出し許可手続きが滞ったため、現地で得たサンプルのDNA解析についても次年度に行うこととした。従って今年度の分析は主に、照葉樹林帯西端にあたるインドからの調査から知見と比較するため、照葉樹林帯東部にあたる日本・中国・台湾などからこれまで採集・調査していたタマバエ・タマバチ類を中心に行った。現段階ではまだ東端と西端との間での比較分析は不可能であるものの、次年度以降、ゴール形状の多様性の比較、寄主植物種数に対するゴール形成者数の割合の比較などから、常緑照葉樹を寄主とするゴール形成昆虫の適応放散の起源や要因についてある程度予測できる見込みである。
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