研究課題/領域番号 |
21405011
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三島 美佐子 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (30346770)
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研究分担者 |
阿部 芳久 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (50222675)
植田 知香 (須山 知香) 金沢大学, 理学部, 博士研究員 (40464044)
湯川 淳一 九州大学, 農学研究院, 学術特任教員 (80041622)
徳田 誠 佐賀大学, 農学部, 准教授 (60469848)
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キーワード | 生物地理 / アジア / 種分化 / 進化 / 適応放散 / 多国籍 / 寄生 / 生物間相互作用 |
研究概要 |
2011年度は、2010年度の予算の一部を繰り越して、6月にダージリン地方で野外調査を実施し、タマバチ類やタマバエ類の虫えいを、少なくとも、8種類採集することができた。これらの虫えいの形状やサイズ、色彩については、現地で近接撮影を行い記録に残すとともに、虫えいを解剖して、虫えい形成者の発育段階や寄生蜂の有無などを確認・記録した。この際に得られた標本は、将来、プレパラート標本を作成するために75%エタノールに、DNA解析のために99%エタノールに保存した。また、野外で同時に採集した寄主植物はさく葉標本とするために新聞紙で乾燥した。これらの標本と前年度に採集した標本を日本に持ち帰り、DNA解析やプレパラート標本を作成して形態観察を行なう予定であったが、カウンターパート側委員会の突然の姿勢転換で、標本の国外持ち出しの許可が得られなくなった。その後も粘り強い交渉を続けたものの、先方からの連絡が途絶え、現在に至っている。そこで、調査対象地域を急遽インドからカンボジアに変更し、2012年3月に現地調査を実施した。この調査で、約60種類の虫えいを採集することができた。虫えいの形状で形成者の種の識別が可能である利点を生かし、インドで撮影した虫えいの写真とカンボジアで採集して持ち帰った標本に基づき、これまで照葉樹林帯東端地域で行なってきた我々の調査結果と比較・統合することが可能になり、照葉樹林における虫えい形成昆虫の多様性の実態を明らかにできた。調査結果はデータベース化するが、インドのカウンターパートとの兼ね合いにより、ウェブサイトによる情報公開は、当分の間、控えることとした。
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