研究概要 |
本研究は、平成21-23年度に研究代表者が実施する「植物鉱化ゴミ化石を中心としたチリパタゴニアにおける南極関連植物相成立史の解明」(no.21405012)による海外学術調査で、平成22年度は,以下のようにチリ共和国内及び南極圏の南シェトランド諸島キングジョージ島及びリビングストン島において現地調査を実施した。 平成22年12月26日~23年2月9日の期間に、西田及び研究協力者の朝川毅守、寺田和雄、及びチリ国内のMarcelo Leppe(チリ南極研究所)、Miguel Rancusi Herrera(コンパニア・デ・マリア高校)が参加した。隊は西田とLeppeが行う南極地域隊と、朝川、寺田、Rancusiからなるチリ本土隊とに分け別個に活動した。南極ではコンセプシオン大学学生2名、本土ではIsaac Tunekawaを調査協力者とした。南極隊は1月7日~2月5日までチリ南極研の協力で南極域を調査し、前期白亜紀から中新世の植物化石多数を得た。本土隊は、中部のコンセプシオン、テムコ周辺とチロエ島において白亜紀最後期から新生代前半の植物化石採集と地質調査を行った。南米では新発見の含植物硅化泥炭層を発見し、434点の化石を採集した。本土隊は1月13日からプンタアレナス市周辺調査を予定していたが、同月12日から同市を中心に発生した暴動のため調査を中止、朝川と寺田は1月23日に帰国した。チリ南極研から後送される予定の南極産を除く資料は、西田が平成23年3月5~11日に再度輸出許可申請と発送のために出張し、船舶輸送中である(5月到着予定)。資料は中央大学理工学部に到着後、担当研究協力者に送付し、研究に供する。なお、平成22年8月に大阪の国際学会で西田が前年度までの資料の研究成果について報告を行った。 平成23年度は採集資料の解析を継続すると共に、これまでの調査総括を行う。
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