研究分担者 |
佐藤 雅志 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (40134043)
佐藤 洋一郎 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (20145113)
中村 郁郎 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (50207867)
福田 善通 国際農林水産業研究センター, 生物資源領域, 主任研究員 (40399374)
MATTHEWES Peter 国立民族学博物館, 准教授 (70281590)
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研究概要 |
本研究では,日本ですすめるイネバイオリソースの多様性データを生かしつつ,オーストラリア・ハーバリウムとの共同調査で入手される野生イネサンプルならびに根栽類の遺伝資源の収集および評価を行うことであった.2009年はハーバリウムサンプルからの微量DNA抽出を行って,条件によりDNA解析可能であることが明らかとなった.さらにゲノム増幅による微量DNAの増幅も行えたため,現在過去の遺伝資源の調査を進めている.現生野生イネについては,ケアンズ近郊から北に向けて調査を進めた.その結果,多数のサイトにおいて,一年生ならびに多年生AAゲノム種を採取、標本化できた.これらは標本をブリスベンハーバリウムに保存し,DNAはニューサウエールズ州サザンクロス大学の植物資源センターに保存した.DNA調査からは,これまでアジアと同種とされてきたオーストラリアの多年生種であるrufipogonが,オーストラリアの固有種である一年生meridionalisと同じ細胞質ハプロタイプを有していることを明らかにできた.これは固有種の多年生として判別できたことになる.今後,一年生ならびに多年生間での遺伝子流動を核DNAマーカーによる検出を行うことが求められる.また,生物種としての認定を生殖隔離機構の確認を行うことで明らかにできる.これらの調査内容は現地研究機関との連名で論文にて発表した.ニューギニアでは予備調査をすすめ、現地研究機関との接触を行った.来年度に向けての調査地域の特定ならびに個体採取の許可を得ることなどの検討を行っている.
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