研究課題/領域番号 |
21405030
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松原 豊彦 立命館大学, 経済学部, 教授 (50165859)
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研究分担者 |
大江 徹男 明治大学, 農学部, 准教授 (60409498)
千葉 典 神戸市外国語大学, 准教授 (80346692)
佐野 聖香 東洋大学, 経済学部, 専任講師 (40469094)
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キーワード | 国際農産物市場 / アグリビジネス / 多国籍企業 / 穀物 / バイオエタノール |
研究概要 |
平成23年度は、これまでの研究成果のまとめを行うとともに、補足的な調査・資料収集を行った。本研究メンバーによる会議を2回行った(平成23年6月4日、平成24年2月26日)、代表者・分担者による研究成果のまとめは次のとおりであった。 千葉は米国農務省のデータを用いて、日米・米中間の農産物貿易の動向を分析した。その結果、米国産農産物の輸出先として東アジア向けのシェアが急拡大していること、日本への輸出は穀物等が約半分を占めていること、中国への輸出は大豆が圧倒的であること、中国向けのトウモロコシ輸出は不安定だが急増傾向にあることが明らかになった。 大江はアメリカの穀物生産供給能力、エタノール生産とトウモロコシ需要について分析した。その結果、これまで流通業者に与えられていた税額控除制度が廃止され、バイオエタノールの有力な推進手段を失うことになったこと、第2世代バイオエタノールの開発と製品化が予想以上に手間取っており、非穀物系バイエタノールへの転換が進んでいるわけではないことが明らかになった。 松原は国際価格高止まり状況におけるカナダの穀物・油糧種子の生産・輸出動向について分析した。その結果、キャノーラの作付け拡大傾向は2007年以降においても継続しており、2011年にキャノーラの作付面積が小麦(デュラムを除く)のそれを凌駕したこと、米国向けのキャノーラ油輸出が増えていることを背景に多国籍アグリビジネスが搾油施設を増強していることが明らかになった。 佐野はブラジル中西部におけるアグリビジネスの展開について分析した。その結果、ブラジルの農業生産の主流地域が南部から中西部に移動していること、多国籍アグリビジネスも中西部に進出をはかり、大豆加工施設の新設を進め、一大食品加工の集積地を形成していることが明らかになった。
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