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2011 年度 実績報告書

中国西北地域の持続的農業と農業水利システムの構築に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21405031
研究機関北海道大学

研究代表者

長澤 徹明  北海道大学, 大学院・農学研究院, 特任教授 (30002067)

研究分担者 波多野 隆介  北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40156344)
井上 京  北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30203235)
山本 忠男  北海道大学, 大学院・農学研究院, 講師 (00312398)
キーワード農業水利 / 塩類集積 / 乾燥地農業 / 水土利用 / タリム河 / 灌漑排水
研究概要

本研究の目的は,おおまかに以下の次の2点である。
(1)タリム河流域の農業水利の把握と合理的な水土利用の検討
(2)圃場における塩類集積発生の詳細な要因分析と劣化の抑制の方途の検討
今年度は本研究の最終年にあたり,現地調査(2011年8月,11月の2回)ならびに研究成果の取りまとめをおこなった。以下に研究成果の要点を示す。
(1)この地域の配水管理状況から,地域特有の灌漑ルールの妥当性と問題点を検討した。その結果,灌漑ルールは合理的と判断された。しかしながら,かならずしも末端水路では厳格なルールの適用がなされていなかった。その原因として,作物生育状況などの諸事情を水管理に反映できる仕組みが存在することが影響しているものと推察された。
(2)地下水位変動の相違がみられない複数の圃場,あるいは同一圃場において,塩類集積の発生状況が異なる原因として,土壌の物理的構造と空間配置(土性と分布状況)による透水性の違いが,塩類の溶脱の程度に影響し,その結果,圃場内の塩類分布状況に偏りが生じるため,その後の毛管上昇による塩類の集積にばらつきが生じる可能性のあることが推察された。
広域的な塩類の収支を求めたところ,ナトリウムイオンは流域から流出するものの,その他の塩類については流域内に貯留する傾向にあることがわかった。一方,土壌調査と水質調査から,この流域では下流ほどナトリウム化のすすむ可能性のあることが示された。地域としての塩類対策としては,よりナトリウムの排出をすすめる必要があると判断された。
また,3カ年の調査研究の成果報告会を年度末に開催した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] タクラマカン砂漠北縁地域の塩類集積と土壌の物理的性質2012

    • 著者名/発表者名
      神谷光彦, 長谷川周一, 山本忠男, 長澤徹明
    • 雑誌名

      地盤工学会誌

      巻: 60 (1) ページ: 20-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of soil salinization on growth of cotton in an arid area in Northwest of China2011

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Tadao, ほか5名
    • 雑誌名

      International Journal Environment and Rural Development

      巻: 2-1 ページ: 19-24

    • 査読あり
  • [学会発表] Influences of agricultural irrigation on regional saline balance in arid a rea, northwestern China2012

    • 著者名/発表者名
      YAMAMOTO Tadao
    • 学会等名
      International Society of Environmental and Rural Development
    • 発表場所
      Kohnkean University (Kohnkean, Thailand)
    • 年月日
      2012-01-20
  • [学会発表] タリム河流域における灌漑農地の水管理体制にみる現状と課題2011

    • 著者名/発表者名
      山本忠男
    • 学会等名
      農業農村工学会大会
    • 発表場所
      九州大学(福岡)
    • 年月日
      2011-09-08

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公開日: 2013-06-26  

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