タイ国ナコンシタマラート県クアンクレン湿地に新規に開発されたオイルパーム園において、泥炭土壌からのメタン放出量を二酸化炭素放出量と共にクローズドチャンバー法により測定した。地下水位-20--10cmの状態で0.1mg CH_4m^<-2>h^<-1>以下の地点もあった。最が、測定地点による変動が大きく、0.5mg CH_4m^<-2>h^<-1>以上の値を示す地点もあった。最大で5mg CH_4m^<-2>h^<-1>の放出が確認された。二酸化炭素の放出量は70-150mg CO_2 m^<-2>h^<-1>程度であった。排水状態での土地利用によるメタン放出量を把握するには今後もデータの蓄積が必要であるが、湛水状態では0.1mg CH_4 m^<-2>h^<-1>程度の放出であることを前年度に確認しており、再湛水化によるメタン放出の増大はそれほど大きくないと思われ。メラルーカ(Melaleuca cajuputi)を経由したメタンの放出量を測定する方法として、タイ国ソンクラー県の森林局南部造林研究センターにおいてボックスに泥炭土壌を詰めて湛水させ、メラルーカ稚樹を植え付けて、稚樹のみをチャンバーで覆って、クローズドチャンバー法によりメタン放出量を測定する方法の適応性を検討し、個体からの放出速度を測定できることを確認した。湛水面近くで地上部を切除した後に切断面から放出されるメタンの放出速度を測定し、切除前に測定した個体からの放出速度との対応を調べた。今後のデータの蓄積が必要な段階ではあるが、ある程度の対応があった。成木からのメタン放出量を把握するために、成木の地際部を円筒形のチャンバーで覆い、クローズドチャンバー法によりメタン放出速度を測定する方法の適応性を検討した。測定が可能であることを確認し、幹表面あたり0.2-0.9mg CH_4m^<-2>h^<-1>の放出速度を得た。
|