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2013 年度 実績報告書

熱帯泥炭湿地荒廃地および湛水造林地からのメタン放出

研究課題

研究課題/領域番号 21405037
応募区分海外学術
研究機関東京大学

研究代表者

小島 克己  東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (80211895)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2014-03-31
キーワードメタン / 熱帯泥炭湿地 / 再湛水 / Melaleuca cajuputi / 生態系修復・整備 / 地球温暖化ガス排出削減 / 国際研究者交流 / タイ
研究概要

Melaleuca cajuputiの樹幹表面からのメタン放出に関して、樹液流速度と同調するようなメタン放出速度の時間変化が前々年度に確認されたため、早朝の樹液流速の上昇時のメタン放出速度の変化を測定した。測定法は従来通り円筒形のチャンバーで幹表面を覆うクローズドチャンバー法を用いたが、チャンバー内のメタン濃度の時間変化を回帰する方法にHMモデルを適宜採用することにより回帰の精度を高めた。未明から夕方にかけてメタン放出速度の増大が認められたが、樹液流速度の日変化との明瞭な関係は認められなかった。M. cajuputiに発達する層状の厚い樹皮が樹体を介したメタン放出の経路として機能しているかどうかを確認するために、メタン放出の測定チャンバーの取り付け位置より下の幹の樹皮を環状に剥離し、剥離前後でのメタン放出速度の変化を調べた。同時にCO2放出速度も測定した。樹皮剥離によって樹幹表面からのメタン放出速度が4割以下に低下したことから、樹幹表面から放出されるメタンの多くは樹皮を経由していることが示された。湛水条件におけるM. cajuputiの樹体からのメタン放出は個体間差異が大きかったが、その主な要因は樹皮経路からの放出量の差異であった。しかし、樹皮経由のメタン放出速度が大きな個体は木部経由のメタン放出速度も大きかったことから、メタンの供給源である土壌中のメタン濃度の不均一性が幹からのメタンの放出の個体間差異をもたらしている可能性がある.樹皮経由のメタン放出速度とCO2放出速度との間に相関関係があったことから、樹皮内部の空隙の様態の違いによる通気特性の違いや樹皮周囲への漏気性の違いなどが樹皮経由のメタン放出速度に影響を与えている可能性が示唆される.非湛水時には樹皮経由のCO2放出が不検出の個体があったことから、土壌中における樹皮周囲のガス拡散特性が地上部の樹皮経由のガス放出に影響を与えていることが示唆される。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Subsidence and soil CO2 efflux in tropical peatland in southern Thailand under various water table and management conditions2013

    • 著者名/発表者名
      Nagano, T., Osawa, K., Ishida, T., Sakai, K., Vijarnsorn, P., Jongskul, A., Phetsuk, S., Waijaroen, S., Yamanoshita, T., Norisada, M., Kojima, K.
    • 雑誌名

      Mires and Peat

      巻: 11 ページ: 1-20

    • 査読あり
  • [学会発表] 熱帯低湿地に生育するMelaleuca cajuputiの樹体からのメタン放出の経路の推定2014

    • 著者名/発表者名
      則定真利子・山ノ下卓・古川原聡・小島克己
    • 学会等名
      第125回日本森林学会大会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ(埼玉県さいたま市)
    • 年月日
      20140326-20140329
  • [図書] アジアの生物資源環境学-持続可能な社会をめざして2013

    • 著者名/発表者名
      小島克己(共編著)
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2015-05-28  

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