研究課題
インドネシアは、赤道を挟んで1万7千以上の島々が東西に分布した国土を有しているが、それらの島々のサンゴ礁に生息する海綿や軟サンゴなどの底生海洋生物の分布については殆ど知られていないのが現状であり、新しい医薬資源探索の面から非常に魅力に富んでいる。しかしながら、インドネシアにおいても自然破壊により新たな医薬資源が確実に失われつつある現状をふまえ、日本・インドネシア両国間の天然物化学研究者を中心とする共同研究チームによる底生海洋生物の調査・採集を行い、調査地域での生物種の分布・生息状況に関する情報を収集するとともに、海洋底生生物由来の新しい医薬資源を開発するための生物資料の収集を行っている。本年度の調査では、日本側から天然物化学、海洋生物学を専攻する3名と、インドネシア側共同研究機関であるランプン大学理学部の3名、ディポネゴロ大学海洋実験所の1名の他、ダイバーとして6名のテクニシャンが調査メンバーとして参加し、インドネシア・ティモール島西端クパン地域を重点調査地域として、以下の調査を行った。1)海洋生物の生息状況の調査と生物資料の採集:調査用ボートをチャーターして、沿岸サンゴ礁域をスキューバダイビングにより広範に探索し、底生海洋生物の水中写真、生息状況の調査と生物資料の採集を行った。2)採取した各底生海洋生物の抽出エキスについて、生物活性スクリーニング試験を行った。現在、活性が見られた生物種から、活性試験の結果を指標に活性物質の分画精製を進めている。3)海洋生物採集時に同時に採取した海底土壌などから、海洋微生物の単離を試み、それらの産生成分についても検討を開始している。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (20件) 備考 (1件)
Biol.Pharm.Bull. 32
ページ: 1261-1265
Bioorg.Med.Chem. 17
ページ: 3968-3972
Chem.Pharm.Bull. 57
ページ: 1136-1138
Bioorg.Med.Chem.Lett. 19
ページ: 2555-2557
化学と生物 47
ページ: 275-282
http://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/b012/