研究課題
ブラジルの大学・病院・医療関係者と協力してブラジル・サンパウロ州のヒト(主としてエイズ感染者)、家蓄、ペットの感染症原因菌と考えられた放線菌を200株あまり輸入し、生理生化学的性状やリボゾーマルRNAの遺伝子配列の解析を行って、特殊な病態について報告し、また疫学的な結果についてまとめた(論文投稿中)。またタイ国立感染症研究所の研究者と協力して、タイ国各地の病院を訪れたエイズ患者からヒト病原性放線菌を採集し、分子生物学、生理生化学的な性状を解析して、現地の医療に役立てるとともに、細菌資源として蓄積・整備した。結果、多くの新種のストレプトマイセス属放線菌が、2次感染の原因菌をなっていることが明らかになった。この中から、新種のストレプトマイセス属放線菌を発見し報告準備中である。ダンゴ虫腸管中に抗菌活性物質を産生する新規の放線菌(ストレプトマイセス属菌)を発見し、新種として報告し、新規化合物の単離を試みた(発表済)。さらに、日本国内のエイズ患者やガン患者その他の感染者からもノカルジア菌等を中心にヒト病原性放線菌を収集し、菌種を同定し薬剤感受性を測定して医療に役立てた。これらの輸入菌株・国内採集菌株について、菌株資源として科学や産業に利用し、医療のための情報を提供する目的で、採集菌株の感染患者情報(個人情報を含まない)、遺伝子情報、生理生化学的情報、薬剤感受性情報、画像情報などを集積したデータ・ベースを構築してい-る(24年度公開予定)。カンジダ等ヒトに病原性を持つ菌種多数種を含む酵母40種あまりの細胞表面糖鎖について、植物由来の糖鎖結タンパク(レクチン)をスライド・ガラスに貼りつけたレクチン・アレイを用いて菌の属や種による違い、種間の違いについて体系的な解析を行い、病原性と糖鎖、の関連などについて考察した。結果は国際学会および専門誌上で発表した。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (13件) 備考 (1件)
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