研究課題/領域番号 |
21406004
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小松 かつ子 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (50225570)
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研究分担者 |
田中 謙 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (60418689)
東田 千尋 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (10272931)
柴原 直利 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (10272907)
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キーワード | 薬用植物 / 分子系統学 / 品質評価 / 認知症 / 生活習慣病 / 芍薬 / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
1.学術調査 ベトナムのサパ、イエンバイ、レニン、フバイ、チャーミィなどでAcanthopanax属、Salacia属、Cinnamomum属植物、インドのタミルナドゥ州、アンドラプラデシュ州、カルナタカ州でsalacia属植物の野生資源状況と栽培状況を調査し、関連生薬を収集した。 2.遺伝的・成分化学的多様性 (1)有薬:Paeonia lactifloraの41品種の遺伝子解析を行い、赤芍系と白芍系を区別する核rDNAのITS領域のマーカー配列を明らかにした。また、Paeoniflorin、pentagalloylglucoseの含量が多く栽培年数による変動が比較的少ない品種を薬用芍薬候補として選択した。 (2)石菖蒲:Acorus属の根茎及び中国市場品のGC分析により、β-asarone他、数成分が検出され、その含有パターンはITS領域の遺伝子型と関連があることを明らかにした。 (3)五加皮類:成分的多様性解析に用いる18化合物を単離し、またHPLC分析の条件を決定した。 (4)Curcuma属植物:葉緑体trnk(遺伝子の解析とクルクミノイド生合成酵素遺伝子イントロン領域の解析を合わせることで精度良く同属植物が分類できることを明らかにした。 (5)Salacia属植物:インド・スリランカ・タイ産8alacia属3種及び関連生薬のITS領域及びtrnK-rps16spacer領域に各々5タイプの塩基配列を見出し、これらの遺伝子型から関連生薬が同定できることを明らかにした。 3.抗認知症作用 山薬の主成分Diosgeninの連続腹腔内投与によりアルツハイマー病モデル5XFADマウスの記憶障害が顕著に改善され、また脳内のアミロイド斑蓄積と神経原線維変化が有意に減少し、かつアミロイド斑に限局した軸索変性が抑制されることを明らかにした。 4.生活習慣病改善作用 Salacia reticukataとS.chinensisのエキスの抗糖尿病作用をジペプチジルペプチダーゼ4阻害活性で評価した結果、メタノールエキスとその酢酸エチル画分に軽度の活性が見られ、活性はS.reticulataがやや強かった。同様の実験で、サフラン、黄連、黄柏の水エキスに非常に強い活性を見出した。
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