研究課題/領域番号 |
21406006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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研究分担者 |
馬淵 昭彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80312312)
渋谷 健司 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50322459)
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キーワード | 遺伝学 / 感染症 / 結核 / ゲノム / 関連遺伝子 / 国際共同研究 / タイ / インドネシア |
研究概要 |
多因子疾患の感受性遺伝子を見つけ出すためには、多くの場合、(1)ゲノム全域からの関連領域の探索、(2)探し出された領域をより詳しく調べて疾患感受性遺伝子を決定するという2段階の研究実施が必要である。本研究チームが結核症に関して行っている(1)を完成させつつ、(2)の為にアジア諸国における検体収集を強化して、結核の感受性遺伝子を特定する国際的な遺伝疫学研究を研究目的として進めている。 連鎖解析によって検出した3領域の他に、日本人やタイ人でのゲノムワイド関連解析(GWAS:Genome-wide association study)からも同定した遺伝子・領域を検討しており、すでに5番染色体長腕より結核感受性遺伝子候補を検出し、論文発表した。一方、GWASにおいて通常用いられている、最も有意度の高いSNP(単一塩基多型)のみを見る方法(the"most-significant SNPs/genes"approach)は、偽陽性、偽陰性のSNPを検出しやすく、生物学的に意味のある発見につながらない可能性もある。そこで、パスウェイ解析に実績を積むアルバータ大学安井研究室との共同研究によって、統計学的にRobustで生物学的な意味のあるSNPセットの同定法を開発した。また、候補領域の同定と遺伝子の特定に重要なのは臨床情報を持った充分なサンプル数の検体バンクである。現在、本研究チームでは、症例・対照(ケース・コントロール)研究のためにタイで収集した検体バンクの整備をしている。集団間に共通する遺伝子特定を進めるため、インドネシアでもサンプル収集を継続するとともに、菌体も保存している日本の複十字病院においても倫理委員会の承認を得て検体収集を開始した。
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