研究課題
1.小児原発性肝癌の新たな症例をベトナムで3例、日本で1例検索することができた。全例の肝癌組織からPCR法にてHBV DNAが検出されたが、HCV RNAは全例陰性であった。HBV pre-S1/pre-S2のシークエンス解析から、塩基の部分欠損がpre-S2遺伝子のホットスポット領域(nt 4~57)内に全例で観察された。日本の女児例は、ゲノタイプHという日本では極めて稀なHBVに感染していた。2.異なったHBVゲノタイプ由来の全長HBVクローンを用いて、in vitroとin vivoでの実験系を確立し、IFN- 2a or Peg-IFN- 2aに対するHBV増殖抑制効果を検討した。その結果は、ゲノタイプC, D, IがゲノタイプAとBに比してIFN感受性が悪かった。3.臨床的に成因不明肝癌(非B非C型肝癌)と診断された125例の米国人肝癌組織から、HBV DNAが3例(2.4%)、HCV RNAが4例(3.2%)で検出できた。非B非C型肝癌例におけるoccult B/Cの存在を明らかにすることができた。注目すべきは、HCV RNA陽性例のうち2例がNASHに起因する肝癌と診断された症例だった事実である。4.網羅的PCR法(SISPA法)を用いて、成因不明肝炎(非A非E型肝炎)患者血清から新規ウイルスの分離を試みた。検索対象となった患者血清は100例(日本人)である。SISPA法で増幅されたPCR産物をTベクターでクローニングし、得られた約1000クローンに関してシークエンスによるスクリーニングにかけた。得られた塩基配列情報をBLAST searchにかけて、データベースに登録されている既知の遺伝子情報と対比させて、分離株の遺伝的特徴を比較解析した。その結果、分離株の約50%はTTV、30%はバクテリア関連、20%はヒトゲノム関連の遺伝子断片であった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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