研究課題
ヒトを終宿主とするテニア科条虫には、有鉤条虫、無鉤条虫、タイワンテニアの3種が知られている。研究代表者らのグループは、長年にわたりこれらのテニア科条虫についての研究を実施してきており、地理的分布、遺伝的変異、遺伝子診断法、ヒトの免疫診断法等様々な成果を明らかにしてきた。しかし、それらの中間宿主である家畜での疫学調査については研究代表者らのグループを含めほとんど実施されていなかった。そこで、研究代表者の岡本は基盤研究(B)(海外学術調査)の助成を受け、平成18~20年度にかけて、家畜における分子疫学調査と家畜のリスク評価の研究を実施した。本研究課題は、それらの成果をさらに発展させるものである。インドネシア・バリ島では、無鉤条虫と有鉤条虫のヒトでの感染が確認されているが、中間宿主である家畜からの報告はほとんど無い。平成23年度は、インドネシア厚生省ならびにバリ島・ウダヤナ大学の研究者とともに、バリ島北部の流行地においてヒトおよび家畜の感染状況を調べた。その結果、ヒトから有鉤条虫の成虫を得ると共に、現地で実施したELISAにより、有鉤嚢虫に対する抗体を保有しているヒトおよびブタを確認した。このブタを剖検したところ、多数の有鉤嚢虫の寄生が確認できたため、バリ島において有鉤条虫の生活環が成立していることが明らかとなった。この虫体の遺伝子解析を実施したところ、アジア型であるが、従来考えられていたパプアのものとは異なることが明らかとなった。
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