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2009 年度 実績報告書

アジアにおけるヒト胆道がんの発生・進展に関する遺伝子がん生物学的・分子疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21406011
応募区分海外学術
研究機関長浜バイオ大学

研究代表者

三輪 正直  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (20012750)

研究分担者 正田 純一  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241827)
キーワード胆道がん / 寄生虫感染 / タイ国 / MARCKS / 転移 / 予後
研究概要

タイ王国では、寄生虫感染に関連すると言われる胆道がん(胆管癌)が世界一多発することが知られている。この胆道がんには、Opisthorchis viverrini(OV)という肝吸虫の感染が長期持続することと関連すると考えられる。ハムスターの動物モデルによりOV感染によりDNAの酸化的損傷が引き起こされることが遺伝子変化を引き起こし正常細胞をがん化させると考えられている。実際、ハムスターの胆管癌モデルにより、myristoylated alanine-rich C kinase substrate(MARCKS)の遺伝子発現が上昇していることが示されており、この発現更新が胆道がん発生に関与している可能性が示唆されている。MARCKSタンパク質は、アクチン細胞骨格の調節を介して、細胞接着、分泌、運動性に関係することが知られている。本年度は、タイ王国の症例において免疫組織学的に60例の胆道がんにおいてMARCKSタンパク質が上昇していることを明らかにした。また、MARCKSタンパク質の発現が上昇した症例では、発現が低い症例に比較して生存期間が有意に減少していた(p=0.02)。胆道がんの細胞株を用いて腫瘍プロモーターである12-O-tetradekanoyl phorbol-13-acetate(TPA)の処理によりMARCKSタンパク質は細胞膜より核周辺に局在を変化させ、MARCKSのリン酸化型が核周辺に蓄積することが分かった。また、MARCKSを強発現させると細胞接着を促進し、MARCKSの発現低下を示す細胞株では、細胞の移動度や浸潤能の低下を示した。これらの結果は、MARCKSタンパク質は、リン酸化型と非リン酸化型との変換を通して胆道がん細胞の転移に関わっている可能性があることを示した。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] MARCKS phosphorylation promotes cholangiocarcinoma cell migration and metastasis via PKC-dependent pathway2010

    • 著者名/発表者名
      Techasen, A, 他
    • 雑誌名

      Cancer Sci 101

      ページ: 658-665

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clonal proliferation of HTLV-1-infected cells is associated with spontaneous malignant tumor formation in mouse2009

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, M, 他
    • 雑誌名

      Int J Oncol 35

      ページ: 701-707

    • 査読あり
  • [学会発表] Genetic and environmental determinants of risk of cholangiocarcinoma2009

    • 著者名/発表者名
      Miwa, M, 他
    • 学会等名
      20^<th> Asia Pacific Cancer Conference
    • 発表場所
      つくば市(茨城県)
    • 年月日
      20091112-20091114
  • [学会発表] Polymorphisms of DNA repair-related genes and risk for cholangiocarcinomain northeast Thailand2009

    • 著者名/発表者名
      Lu Zeng, 他
    • 学会等名
      20^<th> Asia Pacific Cancer Conference
    • 発表場所
      つくば市(茨城県)
    • 年月日
      20091112-20091114
  • [学会発表] ラクトフェリンによる個体レベルでのHTLV-1感染抑制機構2009

    • 著者名/発表者名
      鄭真美, 他
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      千代田区(東京都)
    • 年月日
      20091025-20091027
  • [学会発表] マウスモデルを用いた骨髄移植・リンパ球輸注による抗ATL治療法の検討2009

    • 著者名/発表者名
      長谷川翔, 他
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      千代田区(東京都)
    • 年月日
      20091025-20091027
  • [学会発表] HTLV-1感染ヒト化マウスT細胞におけるCD25の活性化2009

    • 著者名/発表者名
      荀潤澤, 他
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      千代田区(東京都)
    • 年月日
      20091025-20091027
  • [学会発表] ヒト化マウスモデルにおけるHTLV-1感染CD25+T細胞のクローナル増殖2009

    • 著者名/発表者名
      手塚健太, 他
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      千代田区(東京都)
    • 年月日
      20091025-20091027
  • [学会発表] レトロウイルス感染におけるポリADP-リボシル化酵素(PARP)の関与について2009

    • 著者名/発表者名
      田中浩司, 他
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      千代田区(東京都)
    • 年月日
      20091025-20091027
  • [学会発表] HTLV-1感染時におけるシアル酸の役割について2009

    • 著者名/発表者名
      手塚健太, 他
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜市(神奈川県)
    • 年月日
      20091001-20091003
  • [学会発表] タイ王国での肝内胆管がんの発がんにおいての遺伝的要因2009

    • 著者名/発表者名
      曾〓, 他
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜市(神奈川県)
    • 年月日
      20091001-20091003
  • [学会発表] タイの肝吸虫感染関連胆管がん発がんにおけるDNA修復遺伝子XRCC1多型の予防効果2009

    • 著者名/発表者名
      曾〓, 他
    • 学会等名
      がん予防大会2009 愛知
    • 発表場所
      名古屋市(愛知県)
    • 年月日
      20090616-20090617

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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