研究課題/領域番号 |
21406012
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (10215923)
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研究分担者 |
佐々木 年則 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (10300930)
伊澤 晴彦 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (90370965)
水谷 哲也 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (70281681)
山川 睦 農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所, 上席研究官 (40355186)
比嘉 由紀子 長崎大学熱帯医学研究所, 病害動物学部門, 助教 (40404561)
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キーワード | RDV法 / 蚊媒介性ウイルス / ヌカカ媒介性ウイルス / 疾病媒介昆虫 / 野外調査 |
研究概要 |
東南アジア地域に分布する既知のウイルスを含めたアルボウイルスの多様性の実態を明らかにすることを目標とし、21年度はまず、蚊やヌカカが媒介するアルボウイルスをモデルに、アジア近隣諸国との間で国際的・総合的な研究を行い、基礎データ・分子疫学データの蓄積を図ることを目指した。 (1)フィリピンおよび台湾におけるアルボウイルス媒介昆虫の生息調査 フィリピン・マニラ市近郊のBulacan州Bustos村において、共同研究者(Bertuso博士)の協力のもとに住居と豚舎周辺で6月~3月に毎月2回の蚊成虫の捕集を行った。調査期間中7月が最も捕集数が多く、合計596頭8種が捕集され(ネッタイイエカ、オビナシイエカ、コガタアカイエカ、ヴィシュヌイイエカ、Cx.gelidus、シロハシイエカ、ハマダラカ属)、これまでに6属13種,合計2,648頭が捕集された。年間の発生消長を知るために平成22年6月まで継続するが,本結果により年間の発生数および種構成を明らかにする。同時に得られたヌカカ類の中ではウシヌカカが最も多く、次いでニワトリヌカカが採集された。台湾においては22年度以降の実施に向けて共同研究者であるTeng博士と情報交換を行った. (2)各種培養細胞を用いたアルボウイルスの分離と既知ウイルスの同定 捕集蚊の破砕液を用いて、主にC6/36蚊由来培養細胞への接種によりウイルス分離を試みた。現在までに1,402頭68プールをウイルス分離に供し18プールにCPEを確認した(ネッタイイエカ11プール、ヴィシュヌイイエカ3プール、オビナシイエカ、コガタアカイエカ、オオクロヤブカ属、ヌマカ属、の各1プール)。いずれも既知のプライマーで同定できなかったが、電子顕微鏡像の観察からウイルス様感染分子である可能性が高いと考えられた。従来のRDV法に改良・修正を加え、さらに高率に精度よくリード配列を得ることに成功した。本法を上述した未同定の分離株に応用し、22年度から未知のウイルス探索を実施する。
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