研究課題/領域番号 |
21406014
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 陽 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20443989)
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研究分担者 |
押谷 仁 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80419994)
神垣 太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80451524)
齊藤 麻理子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80404234)
玉記 雷太 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40507919)
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キーワード | ウイルス / 感染症 / 微生物 / ネットワーク / 国際協力 |
研究概要 |
2009年4月、メキシコから世界各地に感染拡大していった新型インフルエンザは、全く間にアジア諸国へと広まった。そこで、本年度はアジアにおける新型インフルエンザに焦点をあてた研究を行った。 【ネットワークの確立】東北大学医学系研究科微生物学分野を中心とし、フィリピンの熱帯医学研究所(Research Institute for Tropical Medicine,以下RITM)およびモンゴル国立感染症センター(National Center for Communicable Disease;以下NCCD)をむすんだインフルエンザ研究ネットワークを々形成した。シンガポールのシンガポール総合病院(Singapore General Hospital)は、地域のインフルエンザサーベイランスから外されてしまい、研究規模の縮小を余儀なくされてしまった。一方、中国広東省広州市の広州呼吸病研究所(Guangzhou Institute of Respiratory Disease、代表Professor Zhong Nanshan)と、本テーマで共同研究を行う方向で協議中である。 【データの収集】研究代表者および研究協力者が各研究施設に赴き、現地担当者とウイルス学的検討および疫学的検討について協議をおこない、それぞれの拠点でデータ収集を開始した。仙台市内の2医療機関で採取された検体より新型インフルエンザの分離(213株)を行い、ウイルスの抗原性の確認および薬剤耐性のスクリーニング(薬剤耐性試験、耐性遺伝子の確認)を行った。フィリピンRITMでは、フィリピン国内で流行した新型インフルエンザ(60株)について遺伝子学的側面より解析を行った。フィリピンの流行株は日本国内(仙台市内)で流行した株と近縁であり、すべての株がオセルタミビル感受性である事がわかった。モンゴルNCCDでは、インフルエンザサーベイランスを通じ新型インフルエンザ流行(第40週から)関するデータ収集を行った。観察期間中に入院した患者377名の解析では、年齢の中央値は15歳と日本(8歳)より高く、約3割が基礎疾患を有しておりその多くが妊婦であった。
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