• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

スリランカにおける慢性腎不全の多発に関する疫学調査および病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21406018
研究機関京都大学

研究代表者

原田 浩二  京都大学, 医学研究科, 准教授 (80452340)

キーワードスリランカ / 疫学 / 組織病理学 / 重金属 / 腎臓
研究概要

スリランカ民主社会主義共和国の主たる産業は農業であり、経済発展のためには、同国の面積比で16%を占める北東部の乾燥地域の開発は不可欠である。1970年以降、灌漑設備の建設による北東部の開発がすすめられたが、1990年以降、入植した農民の若年層に慢性腎臓病が多発しており、北東部の経済開発が阻害される事態が生じている。本研究では慢性腎臓病の原因の解明を目的として現地調査を実施した。既知の原因を有しない慢性腎臓病患者より尿試料を得て、カドミウムを評価したが、正常値であったことから、他の腎毒性物質の探索を行った。カビ毒のうちアフラトキシン、フモニシン、オクラトキシンを尿中で評価した。急性毒性を示すほどの高値が示さなかったが、先進国に比べて高値を示した。複数の腎毒性物質の複合曝露の可能性を検討する必要がある。病理組織を昨年に続いて検討するため、腎生検試料19患者より得て、PAS、PAM、Elastica-Masson染色を行い検討した。糸球体の硬化像が多くの試料で認められたが、組織全体に広がらず、限局したものであった。特に血流量の少ない腎皮膜下に集中した。また間質の線維化が認められる試料もあったが、単核球は認められるが好塩基球などは認められず、直近の感染などの影響より、長期の慢性炎症が理由と考えられた。そのほか、血管の内膜肥厚が見られた。これらのことから、間質、血管の病変により細い動脈の支配区域の糸球体が硬化している可能性が考えられた。電子顕微鏡による詳細な検討、遺伝疫学的検討のための準備を現在進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Chronic Kidney Diseases of Uncertain Etiology (CKDue) in Sri Lanka : geographic distribution and environmental implications2011

    • 著者名/発表者名
      Chandrajith R, et al.
    • 雑誌名

      Environ Geochem Health

      巻: (オンライン掲載)

    • 査読あり
  • [学会発表] スリランカの病因不明の慢性腎臓病患者の尿中マイコトキシン2011

    • 著者名/発表者名
      Senevirathna, ほか
    • 学会等名
      第81回 日本衛生学会総会
    • 発表場所
      昭和大学
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] スリランカ北中央部における原因不明の慢性腎臓病の腎病理所見2011

    • 著者名/発表者名
      Nanayakkara, ほか
    • 学会等名
      第81回 日本衛生学会総会
    • 発表場所
      昭和大学
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] Endemic Chronic Kidney Disease of Unknown Etiology in North Central Region of Sri Lanka is a Disease Induced by Focal Renal Ischemia2010

    • 著者名/発表者名
      Nanayakkara, ほか
    • 学会等名
      第80回 日本衛生学会総会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2010-05-09
  • [備考]

    • URL

      http://hes.med.kyoto-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi