研究課題/領域番号 |
21406027
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大石 和徳 大阪大学, 微生物病研究所, 特任教授 (80160414)
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研究分担者 |
明田 幸宏 大阪大学, 微生物病研究所, 特任講師 (60444527)
飯田 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 特任教授 (90221746)
中山 達哉 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (80552158)
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キーワード | ブタレンサ球菌感染症 / 髄膜炎 / 敗血症 / タイ国 / 人獣共通感染症 |
研究概要 |
2006-8年にかけてタイ国内でヒト血液および髄液由来のStreptococcus suis(SS)177株を分離同定し、そのうち165株(91.7%)がSS serotype 2(SS2)、12株(8.3%)はSS serotype 14(SS14)であった。SS2 165株のSTでは、ST1(n=103)、ST104(n=42)の順に多く分布し、発症のピークは6月~8月の雨期にあった。SS2感染症158症例の平均年齢は55歳、男性が72.8%であった。致命率は9.5%と高率であった。臨床像の大半(59.8%)が髄膜炎であり、34.8%が敗血症であった。主要なST1は髄膜炎発症と有意な相関がある一方、ST104は敗血症発症と有意な相関を認めた。生豚肉の摂食は32.9%、併存症としてアルコール多飲者が20.9%と多かった。また、SS2株のsequence typing(ST),病原性遺伝子プロフィル、89K pathogenicity island(PAI)の有無も、有意な死亡のリスク因子ではなかった。一方、SS14感染症は、全体の6.8%を占め、その臨床像はSS2のそれと同等であり、致命例は認められなかった。
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