1. 平成22年8月16日~平成22年8月22日まで夏目長門(愛知学院大学歯学部)、大塚隆信(名古屋市立大学医学部)、麻野和宏(独協医科大学医学部)、前田初彦(愛知学院大学歯学部)がモンゴルの首都ウランバートルならびに僻地にて現地調査を行った。我々が作成した日本語の調査用紙からモンゴル語に翻訳した調査用紙を中心として調査を行うとともに、国立母子保険総合センター(母子病院)において、口唇口蓋裂を含む全ての先天異常を対象に出生率調査を行った。また口唇口蓋裂の治療の実態を調査する目的で、治療の流れを現地の病院で確認するとともに、医療者ならびに患者、家族への種々のインタビューを行った。 2. 研究成果の一部について、(社)日本口蓋裂学会、特定非営利活動(NPO)法人日本口腔科学会中部地方部会にて発表した。この中で、特に日本人に比して口唇口蓋裂の出現率がモンゴル人では低いことについては、大きな反響があった。この原因としては遺伝子的な要因、環境要因両方の可能性があり、平行して解析をしている。特に乳製品の摂取状況が両国で大きな差が生じていた。 3. 現地調査の後に、現地研究協力者と打合せを行い、日本人研究者が帰国後も疫学調査を継続して実施した。 4. 調査用紙の一部について収集分析を開始し、データ入力を行った。しかし現在のところ特に記すべき興味深い知見は得られなかった。 5. 研究の実施状況の報告ならびに情報を入手するため、ジグジット=モンゴル大使、また在モンゴル日本国特命全権大使の城所卓雄氏等、関係者と面談した。
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