研究課題
本年度は「重み付きグラフの公平連結分割」「グラフの全域配送林」「辺容量付き電力需給ネットワーク」の各分野で研究成果が得られた.1.各点に非負整数重みが付いているグラフGと正整数pが与えられたとき,Gから何本かの辺を除去して,Gをp個の互いに共通な点を持たない連結部分グラフに分割し,部分グラフの点重みの合計の最大と最小の差をできるだけ小さくしたい.このような分割をGのp-公平連結分割という.本研究では,p-公平連結分割が直並列グラフや部分k-木に対して擬多項式時間で求まり,特に点重みが全て1であるときには多項式時間で求まることを示した.2.グラフGにはソースがq個あるとし,各ソースには供給量と呼ばれる非負整数が割り当てられ,ソース以外の点は全てシンクであり,需要量と呼ばれる非負整数が割り当てられ,各辺には容量と呼ばれる非負整数が割り当てられているとする.Gの全域林Fが全域配送林と呼ばれるのは,林Fがq本の木からなり,各木Tにはソースが丁度1個含まれており,そのソースからTに含まれる各シンクへ需要量だけのフローをT上の道に沿って流した時に,各辺に流れるフローの値がその辺容量以下であるときである.全域配送林問題とは,与えられたグラフGに全域配送林Fが存在するかどうか判定する問題で,本研究では直並列グラフに対し全域配送林問題を解く擬多項式時間アルゴリズムを与え,そのアルゴリズムは部分k木に拡張できることを示した.3.「辺容量付き電力需給ネットワーク」問題では,木であるグラフGを取り扱い,はじめに定常木ネットワークに対する最大供給率を計算する多項式時間アルゴリズムを与え,次に,パラメトリック木ネットワークの分割問題に対するアルゴリズムを与え,すべての供給量,需要量および辺容量が変数λの区分的線形関数であるとき,そのアルゴリズムの計算時間は擬多項式であることを示した.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
IEICE Trans. on Inf. & Syst.
巻: 97-D, No.3 ページ: 406-412
10.1587/transinf.E97.D.406
J. Comb. Optim.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s10878-013-9661-5
IEICE Trans. on Fundamentals of Elec. Comm. & Comp. Sci.
巻: E96-A, No.6 ページ: 1036-1043