研究概要 |
本研究ではグラフの2部クリーク被覆・分割問題について効率の良いアルゴリズムを開発するとともに近似困難性について理論的な解析を行った.本年度の研究実績は次の通りである. 1. 2部クリーク分割問題の近似困難性を解析した.充足可能性問題から2部クリーク分割問題への帰着を用いることでこれまで得られていたよりもよい結果を得ることができた.この成果は国際学会(大連、中国)にて発表済みである. 2. 2部クリーク分割問題に対する発見的アルゴリズムを提案した.この成果は既に情報処理学会アルゴリズム研究会(2010年.2月)で報告しているが,本年度はその内容を発展させ,現在,論文誌への投稿を準備している. 3. 織機の制御問題を2部クリーク被覆問題として定式化し,整数計画ソルバーを用いた解法を与え,その結果を既に情報処理学会論文誌に発表している.本年度は,この制御問題に実用性の観点から制約を加えた場合,2部クリーク分割問題として定式化できることを示した.これにより実用性から派生した問題が理論的にきれいな形でまとめられた.現在、この成果を論文誌へ投稿するために準備している.
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