巨大な量子ネットワークを実現するため、下記四点の結果を得た。 一、量子リピーターのエラー管理に関し、Austin Fowlerら(Melbourne大学)と共同研究を行い、surface code quantum communication(SCQC)を開発した。 SCQCはsurface codeと呼ばれる量子エラーコレクションコードを使い、量子通信のエラーを解決する。 二、「Quantum Dijkstra」というネットワーク経路選択のアルゴリズムを開発した。量子ダイクストラアルゴリズムは古典的なダイクストラのアルゴリズムの上で定義した。 経路選択について以下の二点が必須となる:リンクコストの定義および複数のリンク経路のコストの計算方法。 シミュレーション上で、我々の提案は経路の帯域定義と選択アルゴリズムで計算したコストの総関係が利用可能であると証明した。このアルゴリズムは世界初の量子経路選択である。 三、量子リピータのPurification Controlプロトコルのステートマシンをデザイン中である。Entanglement Swapping Controlプロトコルは経路選択と関係があり、量子ダイクストラの研究と同時に進めている。また、ディバギング、対外発表、解析、新しい方法などを発見するために、量子リピータシミュレーターの結果を動画で視覚化することを可能とした。 四、分散アルゴリズムとエンタングルメント利用方法の研究も行う。量子鍵交換の鍵をIPsec暗号で利用するプロトタイプの開発を行なった。この技術をインターネットで使用可能とするための標準化を進めている。Internet Draftの標準提案を書いて、Internet Engineering Task Force(インターネットの標準化のグループ)に投稿した。 IPsec/QKDのオープンソースソフトウエアと視覚化はグループのウエブページ掲載。
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