研究課題
平成21年度には、実世界環境に埋め込まれたシステムとのインタラクションの中で、ハンドジェスチャがどのように使えるか、いくつかプロトタイプシステムを作成して検討した。一つは、指先の動きによって従来のグラフィカルユーザインタフェースが操作できるシステムである。本システムでは、3つの基本的な指先の動き、(1)対象のバーを2回素早く横切る操作、(2)基準点からの8方向に離れる操作、(3)基準点を中心に回転する操作、を組み合わせて、GUIの部品であるボタンやメニュー等の操作を行うことができる。これらの操作はジェスチャとしては比較的ロバストに入力を認識することができ、基本的なジェスチャ操作の候補として考えられる。もう一つのシステムは、手のひらをプロジェクタでインタフェースを表示するためにスクリーンとして使うものであり、ユーザは指を使ってそのインタフェース上で操作する。現在はまだ限られた範囲内でのみ使える実装となっているが、パンズームチルトを備えたプロジェクタやカメラを用いれば、部屋の中の広い範囲で、ユーザの部屋にある機器の操作などの手のひらを使ったインタラクションに応用することができる。また、机上にビデオメモを残すシステムも作成した。本システムではハンドジェスチャによりビデオメモの録画や再生のタイミングや、ビデオメモのアイコンを残す位置を指定できる。これらのタイミングや位置の指定は実世界環境において扱う重要な情報であり、さらに検討を加えて一般化する予定である。また、これらのシステムを作成する中で実装された手の認識プログラムなどを一部ライブラリ化した。GPU(CUDA)を用いた実装であり、高速な認識が可能である。
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Proceedings of 13th International Conference on Human-Computer Interaction(HCI International 2009), Human-Computer Interaction, Part IV 5611
ページ: 141-150