研究概要 |
・より詳細な既存技術・既存研究の調査・サーベイ(平成21年4月~9月) これまでの調査では「追記型・文字粒度の追跡子」に類する研究は無った.しかし,ここ数年,追跡性に関する研究は活発であり,継続的な調査・サーベイが不可欠である.(知覚困難型)電子透かし,ステガノグラフィー,暗号の署名技術,(他分野の)追跡子などの既存研究について,広範囲に渡って調査を行った.また,エディタ,Webブラウザ,統合開発環境(IDE)などでの文字エンコーディングの処理方法なども,より詳細に調査を行った. この調査・サーベイは次年度以降に実装する「ソフトウェア追跡性の高精度に確保するシステム「をより適切に開発するために重要な基礎となる. ・「追記型・文字粒度の追跡子」のための文字エンコーディング方式の検討・設計(平成21年9月~22年3月) 案1:文字符号化方式の標準であるISO/IEC 2022(いわゆるISO-2022)として,「追記型・文字粒度の追跡子」のための文字エンコーディング方式を定義可能かを検討する. 案2:Emacsの文字属性機能等,アプリケーションレベルでの「追記型・文字粒度の追跡子」の実現方法を検討する. という2つの案を検討したが,当初の予定通り,案1を採用する方向で設計等を行った.これはエディタやWebブラウザに「追記型・文字粒度の追跡子」を対応させる際に,文字エンコーディングを追加させるだけで済むためである. この設計は「ソフトウェア追跡性の高精度に確保するシステム」の中核となる部分であり,後付けによる推論ではなく,細粒度で高精度に追跡性を確保することで,ソフトウェア保守性の向上を図るという大きな意義がある.
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