本研究では、マイクロストレージネットワークをセンサネットワークと融合・連携させることによって、センサノードの台数によらないスケーラビリティを持つセンシングシステムの構築を可能にするための手法を開発することを目的としている。具体的には、複数のマイクロストレージによってセンシングデータを分散管理することにより、システムの柔軟性や耐故障性を実現する。また、リアルタイム性の高い検索・配信機能を実現するために、事前に必要なデータを他のマイクロストレージに転送するプロアクティブなデータ配信手法を開発する。これにより、各種アプリケーション及び利用者は、データが保存されているマイクロストレージの位置を意識することなく、効率のよいデータの検索・配信を行うことが可能となる。 本年度は、プロアクティブデータ配信・検索機構と、P2Pレプリケーション機構の2点それぞれについて基本的なデータ構造とアルゴリズムの設計を行い、シミュレータ上で評価を行った。プロアクティブデータ配信・検索機構に関しては、(1)メタデータの設計、(2)データ特性の定義、(3)メタデータの配送アルゴリズムに関して設計を行い、ネットワークシミュレータ上で評価を行った。P2Pレプリケーション機構に関しては、(1)データの重要度に基づくレプリケーション対象データの選択アルゴリズムの設計と、(2)同時故障確率に基づくレプリケーション先マイクロストレージ選択アルゴリズムの設計を行った。
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