研究課題
我々はホットループ内の実行パスのうち8割以上がわずか上位1~2本のパス(以降、ホットなループパス)によって占められることに着目し、フィードバック最適化に基づく2パス限定投機実行モデルを確立した。本実行モデルでは、(a)テスト実行により#1、#2ホットパスを特定し、(b)パスに沿った投機的スレッドを生成、さらに(c)パス予測に基づいて投機実行を行う、の手順に沿って高性能化を図る。このフィードバック最適化を基盤として、本研究では、さらに実行中にホットパスの変動を把握しコード生成・最適化、パス予測に反映して実行を継続する動的最適化によって、極限までの高性能化の達成を目的とする。この目的の達成のために、平成21年度に実施した研究の成果は、以下に要約される。(1)動的最適化の有効性の検証 ベンチマークプログラムを用いて、実行の局面によってホットなループパスが変動する局面がどの程度あるかを実験的に検証し、動的最適化の適用可能性を明らかにした。(2)動的な投機戦略アルゴリズムの検討 パスの偏りの割合等の挙動に応じた投機実行の戦略について検討を行った。(3)パスベース投機コードの生成・最適化技術の検討 パスの構造解析に基づく軽量なパスベース投機コードの生成・最適化技術について検討を行った。(4)動的最適化システムの研究開発 (1)~(3)を統合した動的最適化システムの設計に着手した。
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http://aquila.is.utsunomiya-u.ac.jp/