研究概要 |
研究計画に基づき,本年度は以下のテーマについて研究を実施した. ハードウェア資源を考慮するプロセススケジューラの開発:リコンフィギャラブルデバイスの資源管理およびハードウェアプロセスのスケジューリングについては,ハードウェアプロセスが要求する回路規模および資源の占有時間の管理がプロセスのターンアラウンドやスループットを大きく左右する.高性能向けおよび組込み向け双方のリコンフィギャラブルシステムを対象として,システムモデルを作成し様々な状況下を想定したシミュレーションを行うことにより,スケジューリングアルゴリズムの検討を行った. 再構成可能システムにおける動的機能ローディング機構の開発:一般的なオペレーティングシステムにおけるダイナミックリンクライブラリ(DLL)のメカニズムをソフトウェアだけでなくハードウェアによる機能モジュールについても取扱うことができるようにした.具体的にはDLL内の機能を呼出す際にハードウェア実装を行うか否かを確認する階層を設けた. ネットワーク動的再構成管理のためのデータベース構築:必要な情報を一元管理するデータベースシステムをLinux上に構築した.リコンフィギャラブルシステム上で動作するアプリケーションが要求する回路構成情報をネットワークを介して取得できる機能を提供できるように,httpサーバとCGIによるデータベースアクセスを実現した. また,本研究に関連して,FPGAによるシステムLSIを作成する際に不可欠である機能分散型デュアルプロセッサシステムを構築する技術,および,動的リコンフィギャラブルシステムを実現する上で不可欠な部分再構成技術の基本動作に関する研究についても実施した.この2件については,研究会報告として発表した.
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